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米軍横田基地から123便へ、着陸受け入れ可能との無線が送信される。
123便は横田基地に返信した。
『現在、操縦不能』
123便は、羽田空港に着陸するのか、それとも、位置的に近い横田基地に着陸するのか。
東京コントロールは、123便に意向を確認した。
「123便、羽田に着陸しますか?」
『このままでお願いします』
横田基地からの無線を傍受する。
『こちら横田基地、着陸可能。123便、聞こえていたら機体識別コード5432を発信せよ』
「了解しました。スタンバイ」
123便は横田基地に着陸するのであろうか。
しかし、数分後、123便は千葉県木更津のレーダーサイトによる誘導を要求してきた。
横田基地ではなく、羽田空港に着陸するのだろうか。
「了解しました。羽田空港、滑走路22なので、ヘディング090(真東)をキープしてください。現在、コントロールできますか?」
『操縦不能です』
「了解」
操縦不能のまま、羽田空港に緊急着陸しそうである。
羽田空港の滑走路では、緊急着陸に向けての態勢が整いつつあった。
東京コントロールの所在地は所沢である。
着陸時に必要な通信は、着陸先である羽田空港の管制と直接やり取りさせるべきだ。
羽田管制と123便との通信のために、専用の周波数を使わせた方が良いだろう。
「123便、周波数を119.7に変えてください」
2回呼びかけるも、123便からは応答がなかった。
横田基地も、123便に再度、機体識別コードの送信を呼びかけている。
一方、羽田空港の管制も、123便に呼びかけている。
『羽田空港、横田基地、両方とも着陸可能です』
『了解しました』
羽田空港管制が、さらに123便と交信する。
『これからどうするのか、聞かせてください』
我々もそれが知りたい。
123便はどちらに着陸するのだろうか。
しかし、123便からの返信はなかった。
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