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飛行機はなぜ、空を飛べるのか。
それは、翼の上と下とで気流の速さに差があり、それによって揚力が生じるため、飛行機は空を飛べるのだ。
しかし、その気圧の差を作ることができないと、飛行機は揚力を失い、墜落する。
これが、失速である。
機体があまりにも上を向きすぎると、失速して墜落してしまうのだ。
東京コントロールから無線が入る。
『123便。識別コード、2027を発信せよ。降下可能か?』
「了解。現在降下中」
『名古屋空港が近いが、そちらに行くか?』
緊急着陸への対応は、羽田空港の方が設備が整っているので安心できる。
機長は返信した。
「いいえ。羽田空港への着陸を希望します」
『了解。以後、日本語でよろしいですから』
「はいはい」
機長は少し気が楽になった。
管制の方で、緊急事態ということでこちらに気を遣ってくれたようだ。
『123便、周波数を134.0に切り替えられますか?』
しかし、それどころではなかった。
航空機関士からの報告が入る。
「右最後尾ドア、破損!」
『123便以外のすべての航空機は、東京コントロールへの連絡は周波数134.0で行うこと。なお、別途指示があるまで無線通信は極力、控えること』
無線から音声が聞こえてくる。
しかし、客室の状況が大変なことになっており、機内ではその対応に追われていた。
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