銀幕の殺人04

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銀幕の殺人04

西園寺「君の瞳の奥に悲しみの星が瞬いてる」 渚を見ながらそう言って。 今度はあたしの方を向き、 西園寺「こっちの子も可愛い。目が繊細に輝いてる」 あたしに向かってそう言った。 ん?あたしですか? 西園寺「綺麗だっ…!」 女の子が言われて嬉しいことをサラッと言ったこの男の人。 渚とあたしは顔を見合わせる。 「渚、綺麗だって」 渚「いや、莉夏も言われてるんだよ」 西園寺「ちょっとこっち見てみて」 カメラを構えるようなポーズをするその人にじろじろ見つめられる。 その様子を見ていた慎が飛び込もうとしてきたのが見えたが、 あえなく勇斗に止められる。 いまだに私たちを見つめて何かいい案が浮かんだように顔を綻ばせるこの人。 そういえば、どこかで見たことが… 確か…映画研究部の部長"西園寺 光"。 高校3年生だから先輩だ。 すると、西園寺先輩は指をパチンと鳴らし 西園寺「君たちに決めた!」 「えっ?」 西園寺「僕の映画のヒロインになってよ!」 そう言った。 え…えーーー?!! いやだいやだ! 人前に出るのなんて恥ずかしくて無理だよ! 西園寺「あー、でもこの映画の主人公は1人なんだよね…」 そう呟いたのを聞いた途端声を上げ、 「あー!あたしが降ります!あたしに主役なんて無理ですから」 そう言った。 西園寺「そっか。じゃあまた今度の機会に」 そう言われたから、とりあえず笑って返しておいた。 すると向こうの方から、 もう1人男子生徒がやってくる。 泉谷「おい西園寺!何で黒河を主役から降ろすんだよ!俺は彼女のイメージでこのシナリオを書いたんだぞ!」 なぜか、とても怒っている。 蔵沢「南浦は役のイメージに合わない。主役は彼女で行く」 そう言って、渚を指した。 南浦って…確か映研の看板女優ですごく綺麗って有名な人だ。 「だったら俺は降りる」 怒っていたその男子生徒は台本を投げつけそう言った。 蔵沢「勝手にしろ」 そのあと2人はなにかコソコソ話して、怒っていた男子生徒はその場を去った。 なんか怪しい。
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