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やがて、自分でも信じられない程の大きな声と共に身体が、跳ね上がって、目の前が真っ白に染まった。
肩で息をしながら、雪斗を見上げれば、私の汗ばんだ前髪を雪斗が、そっと掻き分けた。
「ねぇ……美織の心臓、頂戴」
「……え?」
「俺のは、美織にあげるから……」
雪斗の瞳に見つめられれば、雪斗の背中の向こう側から、真っ白な雪が降ってくるようだ。
あの日、雪空に手を伸ばした時のように、雪斗に手を伸ばせば、すぐに抱きしめられて、心も身体も雪のように真っ白に染められていく。私の心の中には、雪斗だけにしか見えない無数の白い花が咲いていく。
それは、まるで、あの日のスノードロップが、弱い心もすぐに溢れる涙も全部慰めて、未来への希望へと創り変えてくれるように。
「雪斗に……あげる。だからね……どこにも行かないで……」
「心臓が、二人で一つだったら良かったのにな。そしたら、離れることもないし、俺は、美織で、美織は、俺だから」
そして、雪斗は、私の足を大きく開いた。
「こんなに欲しいの初めてだ」
「雪斗……きて」
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