第4章 美織と美野里

4/36
前へ
/301ページ
次へ
『雪斗?』 桃葉の甘ったるい声が、聞こえてくる。 「何?」 思わず、自分でも思ってた以上に冷めた声がでた。今度、桃葉とは、一度話さないといけない。 もう、二人で会えないこと。 この関係を終わらせること。 『昨日、何処泊まったの?』 「え?なんで知ってんの?」 『えと、昨日雪斗の家向かってたら、雪斗が慌てて家から飛び出すのが見えて、追いかけたけど、見失っちゃって……暫く待ってたけど、帰ってこないから……なんとなく誰かの家に泊まったのかなって』 「ちょっと……急ぎの件で、恭平ん家」 もしかして桃葉は、美織が、俺の家に泊まったのを見かけたことがある?桃葉が、それに嫉妬して、美織に写真を送りつけた?いやでも、あの写真の撮り方……。 『……つき……』 「え?」  ーーーー嘘つき?   『え?何でもない。また家いくね』 「桃葉、悪いけどもう」 『あ、電車きたから』  「桃葉っ!」 桃葉は、俺の言葉を遮るように電話を切った
/301ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1633人が本棚に入れています
本棚に追加