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「じゃあ、俺が動くから、コスモス見てて」
俺は、美織がコスモスに視線を移すのを確認してから、美織の真正面へと回り込む。白いコスモスが雪みたいに真っ白で、まるで雪景色に美織が、溶け込んでるみたいだ。
(あのスノードロップの女の子みたいだな)
そんな訳ないのに、俺はふと、顔もわからない幼いあの子を思い出していた。
「美織、白いコスモスの花言葉、純潔だよ」
美織が、白いコスモスを眺めながら、小さく素敵、と呟いた。風が、ふわりとコスモスの花弁を撫でていく。
「雪斗、見て、雪みたい」
俺に笑いかけた美織を、瞳に焼き付けるように、俺は迷わずシャッターを切った。すぐに写真を確認して、思わず笑みが溢れた。
「雪斗、見せて」
美織が、駆け寄ってくると、俺のスマホを覗き込む。美織は、嬉しそうに笑ったかと思えば、何かに気付いたかのように、すぐに驚いた顔をした。
「あれ……」
「どした?綺麗に撮れてるだろ?」
「あ……のね、この写真……見たことあって」
「え?」
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