1648人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴方だって、これ以上盗撮されたくないでしょ?だったら、さっさと雪斗から手を引いて。じゃないと……後悔することになるわよ」
「盗撮って……?!桃葉さんが、撮ってたんですか!」
私は、マリア像を指差した。
ーーーーイニシャルは『M』。
桃葉の『M』?
桃葉が、私を睨むと、小さく舌打ちした。
「いい?その写真の事もあたしに会った事も雪斗には、言わないことね。雪斗に、何かされたくなかったら。最後の警告よ」
「待って、桃葉さんっ」
タンタンタンと会場入り口の方から足音が聴こえてくる。
雪斗かも知れない。
咄嗟にそう思った。
それは、桃葉も同じだったのかもしれない。桃葉は、パーカーのフードを、さっと被ると会場の出口へと足早に消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!