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「雪斗の唇……ずっと前から知ってる気がする」
それは、運命とよぶべきモノなのかもしれない。きっと生まれる前から決まってた。雪斗と私が、初めての恋に堕ちること。
「美織に口説かれんのもいいな」
「雪斗……好き」
私達は、触れるだけのキスを繰り返しながら、ゆっくりとベッドに沈み込んだ。
「美織、好きだよ」
シングルベッドが軋んで、雪斗に見下ろされたまま、私は、言葉が出てこない。月明かりの中、雪斗にベッドに組み敷かれて、心臓は、ただ苦しくてたまらなくなる。
「抱くから」
「待って……」
急激に高鳴る鼓動にすぐに怖くなって、私は、雪斗の胸元をぎゅっと掴んだ。
「ごめん……もう待つの嫌だから。今すぐ美織が欲しい」
言い終わる前に雪斗の唇が、首筋からゆっくりと降りていく。
「ンッ……雪斗……」
愛おしそうに私を見つめながら、雪斗の唇と指先が私を少しずつ、快楽の波へと誘い込んでいき、波が、寄せてはかえすように私の心も一緒に雪斗に攫われていく。
「美織、優しくするから」
雪斗が、私の着ているオフホワイトのセーターに手を掛けた。びくんと身体が震えて、胸元の傷が頭を過ぎる。
「待って……雪斗、傷痕……」
咄嗟に私のセーターを脱がそうとした雪斗の腕を掴んでいた。
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