悪の実体化

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悪の実体化

しばらく日の流れに身を任せていたら、どこまで書いたかわからなくなったから見直してきた。 人間の話をするんだったね。 でもさ、その前にオレ様の話を聞いておくれよ。 前回は悪魔の話をしたじゃないか。もちろん、魔王以外にも悪魔がいてさ、そいつら今は魔界のお役人的な仕事をしてるんだけど、散歩してたらたまたまそいつらに絡まれて最悪だったよ。 あいつら専門部署ごとに派閥?みたいなのがあって、それぞれ仲が悪くて、その抗争の仲裁をしなくちゃになっちゃったんだけど、なぜか最終的にオレ様が全方向から怒られて終わったんだよね… なんで? 役所丸ごと燃やしてやろうかと思ったよ。 というかちょっと燃やしてきた。 まだ続くんだけど、その後は黒龍の大群にも絡まれて大変だった。アイツら天才変人集団だから会うごとにオレ様の生態系を丸裸にしようとしてくるんだよ。 いつか解剖されそうで本当に怖い。 「キミはどうせ死なないんだからいいじゃん。知識の発展のためだよ」 とか笑顔で言ってきそう。てか、ものすごい前に言ってきたやつがいた気がする。 まあ、愚痴はここら辺にして、歴史の続きを書くとするか。 神が悪魔を封印して、人間に介入する力を半分失ったところまで書いたね。 今日はここから人間がどうなったのか書くよ。 人は命を繋いでいくうちに神の存在を忘れ、悪に手を染めるようになった。 それだけではなく、恐怖、悲しみ、不安、苦しみといった負の感情が世の中に蔓延していった。 これらを食い止める手段は無かった。 その結果何が起きたと思う? まず、人間の負の感情が具現化されるという事態が起きた。 前に人間の魂は強いと書いた。人間は体も意志も弱いくせに魂だけは本当に強いんだ。 その魂が負の感情と結びつくことで実体化し、さまざまな化物が生み出された。 どう言ったら伝わりやすいかな。物語、そう、童話とか古い伝承の悪役っているじゃないか。魔女とか鬼とか。そういう化物が実際に生み出されたんだ。 そして、その化物がどうなったのかわかるかい? だいたい想像がつくだろうけど、人間の生活を脅かしていったんだよ。 人間はたくさん死んだ。それでも結局は人間の方が強かった。人間は神の創造物だから。悪は所詮人間の作った偽物だから負けてしまったんだよ。 でもね、一部の悪は生き残っていた。そいつらはちゃんと改心して人間には一切手出ししなかった。 次はその生き残りと人間との関係について話していこう。
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