悪魔と封印

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悪魔と封印

今日は時を操る魔女(時の魔女)たちに頼んで過去の出来事を見せてもらってきたんだけど、疲れた。 もう一度言う。 疲れた。 でも、これである程度は過去のことを思い出せたと思う。 ついでにオレ様の手下にも頼んで、魔王の記憶とか頭の中を覗いて見たかったんだけど、さすがにアイツのは見られないらしい。 せっかく弱みを握るチャンスだったのに。 残念だ。 魔王以外なら覗きたい放題らしいので、他の物語を書く時に役立てようと思う。 また愚痴になるけど、やっぱ、時の魔女ってなんか苦手なんだよねぇ。 品がありすぎて近寄り難いっていうか、見た目も人間寄りだし、中身もこっちの世界の住人っぽくなくて妙にソワソワする。 礼儀正しいし、上品だし、いい匂いするし、美人だし、だから余計に腹の底で何考えてるかわからない。 それこそ、今度脳内覗いてやろうかと思うくらいなんか気色悪かった。 まあ、これからもお世話になるからそれなりの付き合いはしていこう。オレ様らしくないけどさ。 じゃあ、話の続きに行こうか。 人間の魂が穢れて世界が崩壊するかもってなって、神はどうした、ってとこまで書いたね。 そこで、神が頼ったのはなんと、あの天使から闇堕ちして封印された悪魔だったんだ。 その悪魔、暴走こそしたけど、頭はいいし、仕事はできるし、非の打ち所がない、完全無欠なヤツだったんだよね。 暴走してというか、むしろノリノリで人間のことそそのかしてたけど、実際のところ本当に賢かったんだよ。 人間の愚行を止めるには悪魔の力に頼ることが必要不可欠だった。 だから、神はなんとかその悪い部分だけを封印して、悪魔の自我を回復させたんだ。 そして、神は悪魔に命じた。 「人間が生み出した魔物たちをすべて連れて、人間界とは違う世界に行きなさい。そして、あなたがそこを治めるのです」 悪魔は二つ返事だった。 即答すぎたし、なんなら「では、そこを魔界と名付け、私は魔王と名乗らせていただこう」ってドヤ顔で神に言ったもんだから、神も悪魔の悪の部分を封印しきれてなくて、世界を滅ぼす目論みなのかと疑ったけど、もともと天使だった時からコイツはそういうやつだったと納得したんだ。 やっと、この物語の主人公が誕生したね。 次からは魔王が魔界でしてきたことを中心に書いていくよ。 前置きが長かったけど、やっとここからが始まりだ。 正直、あんなクソで傲慢で自信過剰で減らず口で完璧主義で神経質な魔王のことなんか1ミリも書きたくないんだけど、しょうがないから書いていくよ。 ああ、腹が立つねえ。 何に腹が立つって、嫌いなのに尊敬せざるを得ないところが本当に腹立つよ。 ああ!!!! また読まれて笑われた!!! 魔王のやつ焼き殺してやる!!!
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