2人が本棚に入れています
本棚に追加
「と、いう訳で、パパ、パーティのおもてなしは私のほうで、やるからね。
だから、新しい衣(ドレス)つくるから、パパが払ってね。
私、これからデートだから・・じゃねっ!」
イシュタルちゃんは抜け目なく、パパに向かって宣言してから、
タタタと廊下を速足で去っていきました。
残されたのはパパ・アヌ神と姉のエレシュキガルです。
「むぅ・・・」
曇り空の灰色、夜空の紺色、闇の黒・・
学校の制服のように、エレシュちゃんはそんな地味な色の衣しか着ません。
きらびやかな装身具もつけません。
唯一、彼女が好んでつけるのは真珠や黒曜石です。
漆黒の髪は、青白い頬、肌色を強調します。
笑うと、結構、可愛いんだけどね・・この子はほとんど笑わない。
アヌ神は思いましたが、
とにかく、この姉妹の仲が超悪いのを、何とかしたいと考えていました。
特に、妹のイシュタルちゃんが攻撃的なので・・・
エレシュちゃんは攻防するので、精いっぱいという感じです。
妹が光なら、姉は闇を司る。
でもアヌ神にとっては、どちらもカワイイ娘です。
「その・・エレシュキガル・・」
「お父様、別に気になさらなくてください。いつものことですから」
エレシュちゃんは、気遣うように父親を見ました。
最初のコメントを投稿しよう!