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「でも、お前は長女としての・・役割もあるし」
「お父様、私はお話することも苦手ですし、たくさんのお客様のお相手をするのも、疲れてしまうのです。
イシュタルにやってもらうのは、異論はありません」
エレシュちゃんは小さいころから、気づかい、わきまえる、聞き分けの良いいい子でした。
それに比べると、イシュタルちゃんはわがままで、自己中、自分の言い分を必ず通す。
まだ、ふたりが幼い時
パパ・アヌ神は、仕事の帰りにお土産のケーキを買って帰りました。
箱を開けると、色とりどりの美しいケーキが入っています。
「イシュタルはぁ、これと、これとこれね!」
イシュタルちゃんは、すぐに確保のために、ケーキに手を出しました。
それもおいしそうな、美しい目を引くケーキばかり、自分のお皿に取ってしまいます。
一通り、イシュタルのケーキ欲が収まると、エレシュちゃんは、
まだ幼い弟神に声をかけました。
「早く、好きなのを選んでいいよ」
弟神は、うれしそうに小さな手でケーキを取りました。
それから、エレシュちゃんは最後に残ったケーキを、黙って取りました。
その様子を思い出して
「エレシュキガル・・お前に頼みたい、大切な仕事なのだが」
パパ・アヌ神は決断しました。
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