冥府の女神・エレシュキガルの誕生

1/1
前へ
/58ページ
次へ

冥府の女神・エレシュキガルの誕生

古代メソポタミアの死の世界(冥府)は、ギルガメシュ叙事詩にも 詳細に記述されています。 死ぬと、7つの門をくぐり、冥府の女神の裁定を受けます。 何人たりとも、それを避ける事はできません。 天界の神すらも・・・ 冥府の女神・エレシュキガルに、礼をつくさねばなりません。 しかも、アヌ神は彼女に、必殺技を授与しました。 「死の眼差し」 彼女の視線を真っ向から受けると、その命は奪われるのです。 アヌ神は冥府に向かう、娘の肩に手をおいて言いました。 「死を司る冥府に、天の神は立ち入ることはできない。 天の神々は、お前に最上の儀礼を払わねばならない。 このように冥府、死を司る神は、偉大な存在なのだが、 しかし、お前は冥府から出る事はできない。」 「わかりました。お父様。ご期待に沿えるようにお仕事をいたします」 うつむきぎみにエレシュちゃんは、小さな声で答えました。 イシュタルとは関わらないように・・パパ・アヌ神の配慮です。 それと、天界のドン・アヌ神の長女として、女神プライドを最大限に尊重するポジショニング。 エレシュちゃんは、パパに丁寧に頭をさげました。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加