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隕石が落ちて来た。
僕を毎日イジメてた親友の田中君が住んでいる東町は消滅した。
──地球に近づいた巨大な彗星は小さな隕石に分かれて世界中に降り注いだ……。
隕石が落ちて来た。
僕が密かに思っている鈴木さん、その鈴木さんが片思いしている、僕に勉強を教えてくれる大久保君。
大久保君が住んでいる西町は消滅した。
──僕は、鈴木さんが住んでいる南町に行って彼女に告白し、一緒に逃げようとした……。しかし大久保君の死を受け入れられないのか、鈴木さんは僕を罵倒した。
隕石が落ちて来た。
南町は消滅した。
──僕は、鈴木さんを連れ出す事ができずに、失意の状態で北町に戻った……。
隕石が落ちて来た。
北町も消滅した。
──僕が目を覚ますと、目の前には悪魔が立っていた……。
貴方には、もう一度やり直すチャンスをやろう。生贄としてどこかの町の魂を捧げろ。そうだな、一回だけ隕石を落とすとしたら、どこに隕石を落とせば良いのだ?
──僕は、悪魔に即答した……。
隕石が落ちて来た。
僕がお願いした町が消滅した。
(了)
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