第一章  タブー

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第一章  タブー

「はぁぁぁぁぁぁ………だめぇ……」  汗で滑るオレの背中に必死にしがみつきながら、安吾は身体のなかでオレを受け留め、灰皿の中に残る煙草の煙のように腰をくゆらせる。 「あっ……あっ……待って……はるッ……」  もう彼とは何度肌を合わせたことだろう…。初めての時は必死で初々しいほど躊躇った行為も、今は毎週末会うたびに互いの部屋で時間の許すかぎりしているような気がする。そう。自然に、二人で息をするように愛し合う。 「安吾……イキたくないの?ん?……気持ちいいの?もっと欲しいだろ?ふふ……ほら……ほら……奥がいい?」  オレは安吾の耳元でキスをするように煽ってみる。ああ、そうさ。安吾とSEX(こういうこと)するたびにオレは欲深くなる。彼の体内の奥深くをこじ開けて攻め続ける男根(ぶんしん)が自分をダメにするって解ってる。動物的にのけ反って、喘いで、愛し合って、また交わって、また安吾が欲しくなる。飽くことない情事が心地よくて蕩けてしまいそうだ。 「はる……っ……イクぅ……イクって…」 「安吾…ったら……ちゃんとオレを見て。可愛いよ…」  わななく安吾の唇がオレを欲しがった。そして希みどおり唇でそれを塞いだ。絶頂の叫びを封じるかのように。
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