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ロアの下界(地上)生活日記 #4
ネックレスを持たれたロアは龍二に従うしかない。
そもそも、龍、ウロボロスは「自分の所持物及び大切な物を下界の人間に持たれたりされれば、従属関係を結ばなければならない」という家訓があるのだ。
その為、ロアは龍二に従うしかないのだ。
「全く…面倒な事を。」
「ごめん…。」
「ところで貴様、山に居るのは何故なのだ?」
「虫を捕りに来たんだよ。」
「ほう、昆虫採集か…。」
ロアは周りを見た。
「何故昆虫採集など?」
「うちのクラスで昆虫に詳しい奴が居て…そいつに採ってこいって言われて。」
「…そうか、どんな物だ?」
「キンイロクワガタってやつなんだけど…。」
そう言って図鑑を見せた。
「…心得た。」
ロアは指を立たせる。
「『軽圧』」
その瞬間、周りに居た虫達が浮かんで此方へ来るではないか。
「!!?」
「我はドラゴン。これくらい朝飯前だ。」
「此処から探す…?!」
「世界中からでもいいぞ?」
ロアはもう一度指を立てる。
「待て待て…何だこれ!!!?」
「探せ。早くしろ。」
「は、はい!」
龍二は戸惑いながらも虫達から目的のものを採る。
「有難う…。」
「あぁ。」
ロアは手を降ろし、元の場所へ返す。
そして、龍二の家へ。
「…何で着いてきてんの?」
「我はそのネックレスが無ければ駄目なのだ。貴様から離れる訳にはいかない。」
こうして、ロアの下界での生活が始まるのであった。
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