ロアの下界(地上)生活日記 #4

1/1
前へ
/21ページ
次へ

ロアの下界(地上)生活日記 #4

ネックレス(契約書)を持たれたロアは龍二に従うしかない。 そもそも、龍、ウロボロスは「自分の所持物及び大切な物を下界の人間に持たれたりされれば、従属関係を結ばなければならない」という家訓があるのだ。 その為、ロアは龍二に従うしかないのだ。 「全く…面倒な事を。」 「ごめん…。」 「ところで貴様、山に居るのは何故なのだ?」 「虫を捕りに来たんだよ。」 「ほう、昆虫採集か…。」 ロアは周りを見た。 「何故昆虫採集など?」 「うちのクラスで昆虫に詳しい奴が居て…そいつに採ってこいって言われて。」 「…そうか、どんな物だ?」 「キンイロクワガタってやつなんだけど…。」 そう言って図鑑を見せた。 「…心得た。」 ロアは指を立たせる。 「『軽圧(ヒュラクタ)』」 その瞬間、周りに居た虫達が浮かんで此方へ来るではないか。 「!!?」 「我はドラゴン。これくらい朝飯前だ。」 「此処から探す…?!」 「世界中からでもいいぞ?」 ロアはもう一度指を立てる。 「待て待て…何だこれ!!!?」 「探せ。早くしろ。」 「は、はい!」 龍二は戸惑いながらも虫達から目的のものを採る。 「有難う…。」 「あぁ。」 ロアは手を降ろし、元の場所へ返す。 そして、龍二の家へ。 「…何で着いてきてんの?」 「我はそのネックレスが無ければ駄目なのだ。貴様から離れる訳にはいかない。」 こうして、ロアの下界での生活が始まるのであった。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加