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4章
「あー。お腹空いた。お腹が空いた。腹が減ったよぉ!」
「うるさいよ。あたしの隣で騒がないでくれる?獲物が逃げて行っちゃう」
「僕だってもう限界なんだよ。巣を作ろうとしたって風さんいう事聞いてくれないし、糸がいっぱいでるけど、使い訳とかよくわかんないし」
「はいはい。だからあたしが隣で見学させてあげてるんだけど?」
「ごめんなさい。もううるさくしません」
「わかってるならいいけど、自分だって見てないで作ってみたら?」
神様から言われて最近は巣作るのに必死だ。こうして上手な友達に教えを乞う事もある。皆なぜできないのかと飽きれた顔をされる。
「ここまで垂れてきたら方向転換をして……こう!」
ギロッ。
声を出して練習したら睨まれた。ごめんなさいと言いその場を少し離れる。
僕なんて元から蜘蛛だった訳じゃないんだから、あんな難しい事できるわけないじゃん。作り方くらい教えてくれたっていいじゃん。神様ってケチだなぁ。お腹空いたよー。
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