5章

1/1
前へ
/16ページ
次へ

5章

 うお!形復活した!これこれこの形だよ!めっちゃ雲って感じの形してんじゃん! ――バチッ。パチパチ。ピリピリッ  ん?こいつらしゃべれないくせに今日はうるさいな。 「お前らうるさいぞ!いつもみたいに静かにしてろよ!」 ――ゴロゴロゴロッッ!! 「うわっ。静かにって言ってんのに」  押し合ってどんどん上のほうに登らされてる気がする。圧が強い。 ――寒い、邪魔だ、どけよ。 ――重い、下に入り込むな、お前がどけ。  なんかケンカしてるみたいだ。聞こえないのに声がしてる気がする。さらにどんどん上に上げられる。  この密集度やばくね? ――ゴロゴロロロッ!  雷?静電気集まって鳴りだしてきた。このままじゃ、 「オレ、せっかく復活したのにまた消えちまうじゃねぇかぁぁ!」 ――よくわかったネ。その通りだヨ。 「またお前か!その通りじゃねんだよ。この状況何とかしろよ」 「無理だヨ。何度も言わせるな」 ――ピカビカッ!! 「あぁ!この光にこの音!もう嫌だぁオレは死ぬんだぁ」 「死なないと言っているだろ。おとなしく身を任せているんだヨ!」  死なないとわかっても、蜘蛛だった時のオレが本能的に怖がってんだよ。 ――キャー ――ワーー  あ。あいつらどんどん下に落ちていく。せっかく形が戻ったのに。また……。 ――ピカッ!!  あ、引っ張られる! ――ゴロゴロゴロッ!!!! ――ザザー  雨の音が地面を濡らす。雷の音とともに。  
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加