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5章
うお!形復活した!これこれこの形だよ!めっちゃ雲って感じの形してんじゃん!
――バチッ。パチパチ。ピリピリッ
ん?こいつらしゃべれないくせに今日はうるさいな。
「お前らうるさいぞ!いつもみたいに静かにしてろよ!」
――ゴロゴロゴロッッ!!
「うわっ。静かにって言ってんのに」
押し合ってどんどん上のほうに登らされてる気がする。圧が強い。
――寒い、邪魔だ、どけよ。
――重い、下に入り込むな、お前がどけ。
なんかケンカしてるみたいだ。聞こえないのに声がしてる気がする。さらにどんどん上に上げられる。
この密集度やばくね?
――ゴロゴロロロッ!
雷?静電気集まって鳴りだしてきた。このままじゃ、
「オレ、せっかく復活したのにまた消えちまうじゃねぇかぁぁ!」
――よくわかったネ。その通りだヨ。
「またお前か!その通りじゃねんだよ。この状況何とかしろよ」
「無理だヨ。何度も言わせるな」
――ピカビカッ!!
「あぁ!この光にこの音!もう嫌だぁオレは死ぬんだぁ」
「死なないと言っているだろ。おとなしく身を任せているんだヨ!」
死なないとわかっても、蜘蛛だった時のオレが本能的に怖がってんだよ。
――キャー
――ワーー
あ。あいつらどんどん下に落ちていく。せっかく形が戻ったのに。また……。
――ピカッ!!
あ、引っ張られる!
――ゴロゴロゴロッ!!!!
――ザザー
雨の音が地面を濡らす。雷の音とともに。
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