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6章
「できたぁ!」
あれから必死に真似してたらやっとできた!僕の巣だ!僕の巣は友達とは形が違う。何故って?この巣は住処も兼任してるものだからだよ。獲物を捉えるものって考えると難しかったけど、これなら大丈夫!
「これでたくさん獲物捕るぞ!」
「それは住処であって罠じゃないんじゃない?」
「えっ!」
「まあ、あなたがいいならいいけど」
住処であって罠じゃない?
声をかけてきた子の巣は丸い形をしている。対して僕のはお皿の形。お皿の近くで隠れてられるし、敵に見つかりにくい。さらに獲物をすぐに回収できる。周りの子達は丸い形の真ん中で陣取っているけど、僕はコワくてできっこないと思ってこの方法にしたんだ!
「ここは僕の居場所でもあって狩りをする網だよ」
「そう。隠れる場所が必要なんて臆病者だね」
臆病でいいよ。食べられて皆みたいに死んじゃうよりよっぽどいい。
あ、ハエがかかったよ!
ゆっくり近づき、糸をくるくる巻きつける。
羽をパタパタさせ、
「いやだ。逃がしてくれ」
その声も聞こえてくる。
「ハエさんごめんね。僕も生き物になったからには生きてたいんだ」
もうハエの声に耳を傾けないように必死にくるくる巻きつけ居場所に持って帰る。
巣の下には羽だけが落ちていく。
はじめて自分で捕った獲物はとてもおいしかった。
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