56人が本棚に入れています
本棚に追加
学校からの帰り道。
いつものように親友の陽次と、他愛もない話をしながら校門を出、市電の駅へ向かう……はずだった。
圭は視線の先に少女を捉えた。
少女は圭に、視線を向けた。
圭は立ち止まり、少女を見つめる。
少女の大きな目が、不安そうに潤んでいた。
「どうしたんだ?」
陽次は視線を辿り、少女を見た。
「申し訳ありませんが、用を思い出しました」
暗に、先に帰るよう促す。
陽次は戸惑いを見せつつ、また明日な! と、離れて行った。
圭は項垂れた少女の元に、足早に向かった……。
最初のコメントを投稿しよう!