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「は⁉」
孝太郎が声を荒げた。
「されちゃったもんはしかたないじゃん!」要も声を荒げる。
「誰だよ?」
「広報課の今村さん…」
「アイツ…お前に隙があったんじゃねぇのか?」
事の発端はこうだった。
要が会社で告白を受けたのだ。
要は会社ではゲイをオープンにしているので勿論女性ではない。
広報課の今村という男から告白を受けたのだ。
要は断った。断ったが…
「隙なんてないよ!大体孝太郎の方が何回も告白されてるじゃん!その度俺がどんな思いしてるかわかる⁉」
「逆ギレかよ…」
その言葉に要の瞳からボロボロ涙がこぼれ落ちる。
「孝太郎は俺の気持ちなんにもわかってない!」
「わかってるよ!大体お前ちゃんと今村に断ったのか?」
その冷たい言葉に要の瞳から涙が止まらない。
「孝太郎なんかより今村さんの方がよっぽど優しい!」
「本気で言ってんのか?」
孝太郎が冷たい視線で要を見つめる。
「本気だよ」
「じゃあ今村と付き合えばいいだろ」
その言葉に要は愕然とした。
「わかったよ!今村さんと付き合えばいいんでしょ!」
思い切り声を荒げてそう叫んだら、孝太郎は舌打ちをしてベッドルームに引っ込んで行った。
俺が悪いの?
なんで?俺だけが責められるの?
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