もしも君が僕のことを思い出したら

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          7  それは私がまだ幼かったころ。私はいつも一緒に遊ぶ、とっても仲のいい子がいた。その子の名前は「シンジ君」。彼はとっても頼もしくて優しい子だった。  私はシンジ君と花火を観に行った。 「はなびきれいだね、トーコちゃん」 「うん、シンジくんとこれてよかった」  私たちは、二人で河川敷から夜空に上がる綺麗な花火を観ていた。 「わたし、ずっとシンジくんと、ずーっといっしょにいるんだ」 「ぼくもずーっととーこちゃんといっしょにいる!」  花火が終盤にさしかかって、大きな花火が連続して打ちあがり始めた。 「うわーっ、きれい! すてきー!」  私はシンジ君の手を握った。その時、ひときわ大きな花火があがった。それが私たちの運命を変えた。 「うわーっ! すごいおおきなはなび!」 「ちがうよ、トーコちゃん! はなびがこっちにとんできてるんだよ・・・!」  大きな事故だった。打ち上げに失敗した一発の花火は私達めがけて飛んできた。シンジ君は私をかばうように、花火の直撃を受けた。私のせいでシンジ君は死んだ・・・。  私は全てを思い出した。私はその事故のことを、シンジ君のことを、きっとひどいショックから守るために、まるごと記憶から消えてしてしまっていたのだ。
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