966人が本棚に入れています
本棚に追加
「美紅ッ! 美紅ッ! メイ!」
「黒龍……!?」
「何ッ!? クソ! 亭主のお出ましか……! どうやってここを嗅ぎつけやがった……」
だがドアにはしっかりと施錠がなされていて、おいそれとは開かないようだ。
「チッ! せっかく極上の獲物だってのに邪魔されてたまるか! おい、てめえら! 鍵を開けられる前に家具でドアを塞げ!」
男は美紅の腕を掴み上げると、乱暴に引き摺りながら二階へ移動せんと走り出した。
ところがだ。
間髪入れずにビシュッという銃声が数発轟いたと思ったら、次の瞬間にはドアが蹴破られた。銃によって施錠が外されたのだ。
「……は! 冗談キツイぜ! いきなりブッ放すかよ……」
同じ裏社会の人間だ。別段銃を所持していたとて驚きはしないが、中の状況も把握しない内からドアごと銃で破るとは思わなかったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!