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「メイ……貴女という人は……! こんなに素晴らしいサプライズは初めてだよ! まったく……どれほど俺を喜ばせれば気が済むんだ……!」
大感激というように声を震わせて喜ぶ様子に、美紅もホッと胸を撫で下ろす。
「良かった……。手編みなんて今時どうかしらと思ったのだけれど、素敵な本を見つけてしまって。どうしても作ってみたくなってしまったの」
「嬉しいよ、美紅! 最高のプレゼントだ!」
風はセーターを広げて天高く持ち上げると、部屋の中でクルクルと回っては小躍りして喜んだ。
「早速袖を通してもいいか?」
「ええ、もちろん!」
風が頬を紅潮させながらすっぽりと頭から被ると、確かにサイズは多少ゆとりがあるが、着やすさとしては抜群だった。
「メイ、とても暖かいよ! それに肌触りも最高だ!」
風は少年に戻ったかのように大はしゃぎで、ヒョイと美紅を姫抱きすると、そのまま姿見の前まで行っては更に感嘆の声を上げた。
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