1

5/15
前へ
/202ページ
次へ
閑静な住宅街、そこの比較的良いマンションの実家に帰る。 玄関の扉を開けるとネコがお出迎えをしてくれ、私は“ハナビ”の頭や喉をワシャワシャと両手で撫でた。 「ただいま~!!」 「お帰り~!!」 大きな声で言うと、今年の3月末で定年退職をしたお父さんの大きな声が。 リビングの扉を開けるとソファーにお母さんと2人で座り、お母さんの肩に手を回し仲良くテレビを見ていた。 お母さんが幸せそうな顔で私を見た時、ハナビがお母さんのビザの上に乗った。 ハナビを嬉しそうな顔でお母さんがゆっくりとゆっくりと撫でる。 なんとも幸せな時間だった。 それに笑いながら、お父さんが作ってくれた夜ご飯を食べていく。 レストランの料理ですか!?というくらい味も盛り付けも上手。 「お父さん料理上手だよね。」 「昔は職場で当番があったからね。 最近の時代はなくなったけど。」 消防士だったお父さん。 昔は料理を作る当番があったらしい。 何も料理が出来なかったお父さんが、そこで料理を覚えた。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

919人が本棚に入れています
本棚に追加