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「悠(はるか)ちゃん、今度花火大会に一緒に行かない?」 法律事務所の所長、葛西凛太郎37歳独身が今日も秘書である私にこういう誘いをしてくる。 「申し訳ありませんが、行きません。」 パソコンの画面を睨みながらタイピングをし答える。 そんな私の近くに葛西所長が・・・弁護士でもある先生が立った。 「やっぱり、俺に頑張られると迷惑かな?」 「そうですね。 先生は女を見る目がなさすぎます。 先生に頑張られる私は良い女ではないということなので。」 タイピングをする手を止め先生を見上げると、先生は困った顔で私を見下ろしている。 「そうだよね、ごめん・・・。 俺が付き合う女の子達は、いつも数日で音信不通になってしまうからね。 きっと俺は良い男ではないんだろうね。」 「先生は優しいとは思います。 先生の彼女さんと何人かお会いしましたが、誰が見ても先生には良くないとすぐに分かるくらいの方達でした。 大金持ちの家に生まれ、立派なビルに事務所を構える弁護士先生で顔まで良い。 気を付けてください。」 「うん、だから俺は悠ちゃんを頑張りたいと思っているんだけど。」 今日もそんなことを言われ、私は定時になったのを確認しパソコンの電源を落とす。
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