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そう言うと男性は、再び本を読み始めた。それを見て琴葉も、雑誌へと目を向ける。
わー!!イケメンさんと話しちゃった。凄い緊張した。でも普通に話してくれて、良い人だなぁ。本読み終わったら、感想聞いてみたいな。なんてもうさすがに会わないよね。
「…………」
「あ、どうも」
「どうも……」
また会った!!何この偶然!?もしかして運命の人なんじゃ……?いやいや、落ち着け。きっとこの人もバスタオルが二枚しかないんだ。だから二日に一度ここに来るんだよ。
「読み終わりましたよ」
「え?本当ですか?どうでした?」
「良かったです。こういう話って、最後悲しい終わりになるのかなって思ってたんですけど、明るいラストで」
その言葉に琴葉は、思わず笑顔になる。
「そうなんですよね。ちゃんとハッピーエンドな所もいいですよね。あと私凄く好きなセリフがあって。主人公が夜景を見ながら、言うセリフ」
「ああ、夜景は好きだ。たくさんの灯りが集まって作られているこの景色に、私は生きていていいのだと思える。でしたよね?」
「はい!!そのセリフです!!覚えてるなんて、凄いですね」
そう言うと男性は、照れたように手で鼻を触る。
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