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「なんか、一歩前進かも。それにあの人、またって言ったよね?」
また会えたら話してくれるのかな?またって、また次があるっていうことだもんね?どうしよう……凄く嬉しい。
思わずニヤける顔、琴葉はワクワクしていた。何かが始まるような、そんな予感。それが何かは、まだ分かってはいなかった。
それから二日後、いつものようにコインランドリーに行くと、男性がベンチに座ってまた本を読んでいた。一瞬声をかけるのを躊躇うも、琴葉は勇気を出して話しかける。
「こんばんは」
その声に男性は顔を上げると、こんばんはと言った。
「回してきますね」
別に自分を待っているわけでもない。しかし気持ちがなぜか早く話したいと、急かしてくる。乾燥機を回すと、定位置になりつつあるベンチに座る。それを見て男性は、本を閉じた。
「よく会いますね」
「本当に。今日は何を読んでいるんですか?」
そう言うと男性は、本の表紙を見せる。知らないタイトルだった。
「読み終わったら、感想教えて下さい。いつも本を読んでますけど、本好きなんですか?」
「はい」
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