プロローグ

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プロローグ

 それでは会場の整備をはじめましょう!  空をキレイにするために大量の雨を振らせます。  空を洗ったら雲ひとつない天色空にします。  雨のあとなので二重の虹をかけておきます。  空からの侵入者や攻撃を防ぐために結界をはります。  これでドラゴンの横断もなくなります。←ここすっごく大事!  そして妖精たちの力を借りて大量の花を舞わせます。 (実際には踊ってもらっています)  はい! 準備完了!  それでは本日の主役の登場の出番です!(自分のこと)  銀色のサラサラの髪を靡かせ、綺羅びやかな衣装に身を包み、天使の翼を広げ空に舞い上がる。と同時に黄色い歓声がきこえてくる。 「今日も私は……え、ゴホン。今日もボクはみんなのために心を込めて唄います! それでは聴いてください! キミは僕のエンジェル!」   昭和感満載の曲名ですが、これでいいのです!  流行りの物語風のリリックにしたら難しすぎたのかオーディエンスがポカーンとしたのだ。ここの人には風情というのがイマイチわからないらしい。ならドストレートな曲名とリリックにしたらとやってみると見事に大ウケしたというわけ!    君の瞳は青空のように澄んでいて太陽のように明るい笑顔で私の心を照らしてくれる~的なポエミーな遠回しの告白より「君が好きだ!」の方が届くってこと!  誰でもわかる言葉で誰にも真似できない世界をみせつけてやるぞ!  宙を舞うステージ、宙を舞う楽器や機材、そして宙を舞う私!  そしてそして! 私のステージに釘付けの人々!  そう! 私は唄って舞うアイドルなのだ!  ここは魔法というスキルが個性としてある異世界。  私はアホな死神により「てへぺろ死」という死に方をした。  わかりやすく言うと、手違いで死ぬことになって異世界転生「てへぺろ転生」をすることとなった。  手違いで転生ということで自由選択というなんでもありというカタチで人生をやり直すこととなり、私は前世から夢であった『同性からモテたい』という願いを叶えるために『魅力』というステータスに極フリした。しかも容姿を推しのアイドルを想像したために女性から男性に『転性』してしまった。  結果……。  男性に転生して、なぜかアイドルという職業に就いたのだったーー。
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