それは赤から始まった

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それは赤から始まった

雲ひとつ無い夏の空 広い歩道に立っていた 信号が青になった ドン!ガシャンッ!バンッ! 爺さんが倒れた 自転車の爺さんが倒れた 立っていた私ではなく 立っていた私に突っ込んできた爺さんが自転車ごと倒れた ビックリし過ぎて倒れる前の爺さんを掴み踏ん張った ゆっくりと倒れた爺さん 八十歳近いだろうか 「大丈夫ですか??」 爺さん、鳩が豆鉄砲食ったような そんな顔 大きな怪我は無いようだ 爺さんは何も言わず立ち去った 何事も無かったかのように
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