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「おーちた おちた なーにが おちた」
リタとアルが、あそんでる。
からっと晴れた 昼下がり。
内緒の 内緒の 屋根の上
二人で こっそり のぼってさ。
「おーちた おちた なーにが おちた」
「かみなりが おちた。」
「アルは かみなりは とくいかい?」
リタが聞いた。
「にがてだよ。ゴロン ゴロンってひかるんだ。」
アルは言った。
「もしもゴロンゴロンってなったら どうするの?」
リタが また聞いた。
「ゴロンゴロンしたらね。からだをちいさく ちいさくするの。」
「ちいさくしたら どうするの?」
「うごかない。じーっと じーっと かくれるの。」
「どうして?」
「ここには だれも いませんよって いうために。」
「そうすれば だいじょうぶなの?」
リタは アルの顔をのぞく。
「うん。そうすれば ばれないんだ。」
「そういうものかな?」
「そういうものだよ。」
今は 青い空だけど
いつ 曇ってしまうか 分からない。
そうなると やっぱり怖くなって
リタと アルは 走って帰った。
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