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「おーちた おちた なーにが おちた」
リタとアルが、あそんでる。
からっと晴れた 昼下がり。
内緒の 内緒の 屋根の上
二人で こっそり のぼってさ。
「おーちた おちた なーにが おちた」
「おんなのこが おちた。」
「おんなのこが おちたら どうするの?」
リタが聞いた。
「もしも いいこだったら りょうてをひろげて たすけてあげる。」
「たすけたあとは どうするの?」
「もしも げんきがあるのなら アップルパイを あげるよ。」
「そしたら?」
「うたも うたってあげるんだ。」
アルが言った。
「もしも わるいこだったら?」
リタがまた聞いた。
「なにもしない。だって わるいこだから。」
「わるいこは たすけない?」
「わるいこは たすけてくれないから おなじことをしてあげるんだ。」
「だから おばさんは しんだの?」
「なんのこと?」
「きょう おばさんが しんだんだ。たかいところから おちたんだ。」
「おばさんは おんなのこじゃ ないよ。」
「うん。だけど むかしは おんなのこだった。」
リタとアルは うつむいた。
「おばさんは わるいこだった?」
アルが聞いた。
「おばさんは こねこを ころしたんだ。」
「じゃあ わるいこだ。」
丘の上では 黒い服の人たちが 箱を埋めている。
違う服をきたリタとアルは
大人たちに見つからないように
帰っていった。
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