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「おーちた おちた なーにが おちた」
「おーちた おちた なーにが おちた」
リタとアルが、あそんでる。
からっと晴れた 昼下がり。
内緒の 内緒の 屋根の上
二人で こっそり のぼってさ。
「きみがやったの?アル。」
リタが聞いた。
「なんのこと?」
「きみがおばさんを ころしたの?」
「もし そうだとしたら?」
「・・・だめだよ。そんなことしちゃ。」
「・・・ごめん。」
アルが言った。
「リタがかわいそうだったんだ。いつも いじめられていたから。」
「それは わるいこ だったからだよ。」
「そうなの?」
「みんな そういってる。ぼくは うまれちゃいけないこなんだって。」
「リタは わるいこなの?」
「きっとそうだよ。」
リタがうつむく。
「ねぇ リタ。もしも わるいこがおちてきたら どうする?」
「・・・わるいこには なにもしない。」
「そっかぁ。」
「でも アルなら うけとめるよ。」
「わるいこでも?」
「リタも わるいこだから。」
リタは、アルを抱きしめる。
「いっしょに行こう。アル。」
「うん。」
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