Startup Review.

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Startup Review.

 改めてTACCHとは。オーライレブンスレコードの大オーディションから派生し、今となってはとんでもなかった人数5113名から、プレスリリース前に15人構成。そんなに人数いたかは、事前のSEXチェックで、上位ランキングリストの3人が弾かれ、公式発表で12人選抜された。そう言えば12人いたかなは、ごく初期の活動で3人、かるら・ゆづる・すずかが、TACCHの鶯谷マンションの寮が下品過ぎるで脱退した。  TACCHは、まずアイドル性は売り上げを見込めるので尚良し。何よりは、音楽プロデューサー小栗泉さんの強い意向で、声量の安定した女子である事が進言され、メンバーが最終決定された。そこで集まったのは、まあド派手で個性も強く、声色も体を表す程に個性があった。決め手は声変わり終えを、見極めた集めたのが、ほぼ高卒者で、高校生はたんご・かるら・ゆづる・すずかの4人位だった。  まずはグループの結束と、社会人としての規則を守る為に、泉さんのきっぷの良さで、印税セーフハウスを拝借し、家賃タダでTACCH全員は共同生活を送る事になった。  寮は2寮制だ。TACCHは、鶯谷の5LDKの印税マンションへと。下部研究生グループThroughoutは、目黒の4LDKの印税マンションへと。  そうTACCHの方が広いだろうも。鶯谷のマンションは、今も泉さんの衣装部屋と楽器倉庫を兼ねており、整理しても実質広めの3LDKが居住空間。寝室は三段ベッド×4の大集合と体育会のノリそのものだった。その点、目黒は優雅なゲストハウスであった為、ただ研究生は満喫していたらしい。それ故か結束間はやや薄かったとも。  私は泉さんに、自主練スペースを考えたらこれはちょっと狭いでしょうと、交換しませんと、常々ぼやく。泉さんは、衣装は着放題、楽器も使い放題だから、芸をより極めるの君達の筈だと温かいハグをされる、  そう衣装代は、私達の固定給は高卒に色が付いた位で、馬鹿になら無いから、まあそうですねになる。現に私が一番衣装を着たおしては、何々可愛いわねで、芸能界の先輩方にちやほやされ、つい写真投稿サイトでのペアリングお披露目となる。私のモデル業のオファーはここから火が付いている。  そう、改めると、私はそれほどブランドへの執着が無い。それから泉さんの衣装部屋に一番長く滞在しては、スマートフォンで検索し、デザインコメントをリサーチする。まあ実際の評価は、着るミューズの個性次第なのだが、それを含めて芸能界とは深く感じ入る。  そして、何を持って、私達の生活が下品になるのかだ。率直に言うしかあるまい。若いから、とにかく身体が疼いてしょうが無い。可愛い女性だから淑やかだろうは、そんなの尊い幻想に過ぎない。  まず芸能界デビューするに当たって、男女の関係は解消する事と、ご立派なハラスメント念書にサインをし、所属契約に進む。そう、私ゆうりとさくやとたんご以外は、初体験を契約前にとっと済ませて、これで大人の女性よ。よし滑り込んだ。ただ男性を覚えてしまった女性の身体は、もうアクセルを踏み続けるしかないのが神秘のメカニズムの様だ。  兎に角度し難いのが、なつみで、皆がオフで出払ったのを見届け、ナンパ男を見繕っては、鶯谷寮に連れ込む。アイドルの寮でSEXなんて燃えるでしょうらしい。なつみには帰国子女であちこちのネジが無いらしい。  そして皆が戻ってきても、ラウンジにて、目の前繰り広げられるSEXを見ては懲りない奴になる。真面目な、すずかとかるらが、手荷物を持って真っ先に退寮した。  私達はまたSEXしてるの慣れに入ったが、道理の塊ゆづるはそうは行かない。なつみの余りの緩さに見かねて、SEXお盛んの二人にバケツの水を豪快にぶちまけ、あほんだらの一喝。そのまま鶯谷寮には帰って来なかった。  さて、怪訝な顔の輩がいなくなるので、性欲旺盛が止めどなくなる。休暇日で皆が街に繰り出したと見るや、非処女組がSEXフレンズを次々、アイドルの女子寮を餌に連れ込み、勝手気ままに盛る。ここでキャーになればお勃つだろうが、もう、ごく当たり前に眺めては、こんなので満足しちゃうんだと言い放つと大凡は帰る。ただなつみはムキになってか、やや大きなサイズの男性を連れ込んでは昇天する。底なしへと向かってる。  私は、鶯谷の寮が余りにだらしないと、女性フロントマネージャー磯貝亜生に直訴する。クビにしないんですか。訓告はしたからと、イエローカードすら出さない。  私は食いつく。早くも3人が退寮した以上、重大インシデント、私は何も言わないのですか。男子アイドルに比べればプロフィール有りのファンを連れ込んでいるのでそこそこ、保護者が偉い人だからねと、はいお終いに。  ただ、泉さんの特命で、男子禁制のポスターが貼り出された。磯貝さん曰く。泉さんのNGリストの御曹司がいたから、罷りならんになる。そっちか。  そして後に、スペイン料理店オーナーに転身した亜生さんに、囁かれた事がある。かるらとゆづるとすずかは、その若さからキャリアアップメンバーに入っており、脱退は少し早かっただけだった。ゆうりももっと卒業を早く言ってくれれば、苦労もしなかったのにね。私の残留のそれはそれで、良い青春を送れて良かったですと微笑んだ。  ◇  それは2015年7月ー9月の「Tokyo Meeting.1」通期公演に向けて、あと1ヶ月しかないある晩の事だ。公演は歌えて当然。ダンスも出来て当然。でも何故心から笑ってないの。自社スタジオではただ叱咤される。且つ急所は、ダンス経験者は1/3で、いつもフォーメーションの立ち位置すら何故分からないのと、どちらが悪い訳でもないのに掴み合い寸前になり、全員が身の置き所の無い雰囲気になった。  この切迫した状態が、1日15時間をオーライレブンスレコードマネジメントの第5スタジオに詰めては、疲労困憊になり、居心地が悪くなる。その後も、各自の予習復習も加えると睡眠時間は6時間しか無かった。睡眠なんて6時間あれば十分だろうが、ストレスも限界を超え、疼く身体がそうはさせてくれなかった。  そう、初公演が迫ると連日稽古で、休みは絶対無い。男子禁制どころか、恋愛している余裕など全くない。逃げ道は、あっさり断ち切られた。  合同寝室の消灯時間は真夜中0時も、男性断ちを強いられるのなら、せめてもの自慰をで、皆が皆、眠りに入るのを待ち構えている。私はそう言う時はクリトリスに触れているだけで充分なので、いつの間に眠っている。  そんなある日の午前2時。リーダーなつみが倍音のきつがなり声を立てては皆を起こし、各3段ベッドからフロアに降り立った。私は既に寝ていたと言うのにも何よ。ただ皆の目が熱り立っていた、そっちの方か。なつみは大きなダンボールを抱えては、3段ベッド中央のフロアにどんと置き、デッサンチェアーに腰を掛けた。演説内容は、同じ仲間で同じ女性なのに、何故に自慰を隠そうとしたがるのか、よく見てなさい。なつみは、自らのスリップとショーツを脱ぎ捨て全裸になり、ソバージュをパサっと揺らる。徐にダンボールから反り上がったディルドを取り出しては、デッサンチェアーにディルドの底面を貼り付け、既に潤ったカントをシェイクし、暴力性のあるディルドに、ズブっと跨った。 「ああ、素敵なペニスだわ。Gracias.Muchas gracias.こんなの初めて。It’s harder and nicer than Jesse, Welb and Jean. But Brother's penis is so long, I'm enraptured. Sorry, sorry, My Brother. Oh, this penis is so hard.硬いわ、本当硬いわ、もうなつみ行っちゃう。見て、乳首もびんびんよ。My Brother, suck my tits now.ああ、いっちゃうー。I'm coming.Is this.はあ、もう駄目、カントがもっと欲しがってる。あと3回は行っちゃいそう。この反りがいいの、ああ全部の方向に当てたいわ。Hard penis. But nice. I can see heaven.。どう、見て、皆もペニス欲しいでしょう。存分に楽しみましょう。ああ、もう、見られてると、もう行っちゃいそう」  無駄に帰国子女のなつみは感性が吹き飛んでる。外国の寄宿舎では表も裏も無くオープンよを聞き流していたが、まさかの率先垂範に目眩がする。  皆が物欲しそうに、ダンボールにわんさか入ったペニス類似品を見ている。ここは仕方ないグループの付き合いから私もで、変な逸物に触れる前に、私とさくやとたんごの分として、処女向けのローターを拾い上げた。そこで堰を切ったように群がり、中心で未だディルドの刺さったなつみを中心に、文字に起こすと、女の園も地獄絵図の最中にいる。  さあローターの使い方をと思ったが、さくやもたんごも柔らかな谷間に滑り込ませ、早くも仰け反った。AVをそのまま信じて、いきなり当てるか。私がもっと早く指南していればは、実はその私も、なつみが悪友達から集めたローターが高性能過ぎて、振動で腰が震えて三度は沈んだ。なつみの稀に見せる見極めはここで発揮するものか。  私が耽ってるうちに、なつみは行ききれないメンバーに次々付き添い、行かせる。全く強引な奴だ。  果たしてその地獄絵図の翌朝から、皆憑き物が落ちた様に、ダンスレッスンにきちんと打ち込んだ。そのムラっ気は女性の深みそのものかと、思い出す程に舌打ちをする。  果たして集団自慰は1週間連続で就寝前に励み、各々が馴染んだペニス類似品をようやくセレクトしては、各自の三段ベッドで自慰に励む様になった。耽った顔を見せなければ、声出しは容認なんて、いいかどうかはさっぱり分からないが、男子を連れ込んで接合部見せるよりはマシか。  これならば、全員処女であるべきだったと思うが、後に皆が辿った人生を見ると、女の性を持ってる以上、それはごく些細なトピックと思う。  ◇  さあ、公演ともなると休日も無い忙しさだが、それが明けると、普通に定期的な休暇も貰えるようになる。  図らずも、集団自慰以降で非処女組と処女組が真っ二つになる。イニシアチブと稚拙。分からないけど、そもそもが大オーディションで勝ち抜いて来た経緯もあるので、隙あらばトップを目指したがるのは、芸能界としては普通だろうか、実際のグループとしてみれば、何かうざったいものだ。  そう、プライベートになると非処女組と処女組の見えない葛藤がいよいよ表面化し、組分けが固まった。処女組ゆうり・さくや・たんご、非処女の自意識がまるでないわたりも何故かこっちの組と同行する。非処女組はなつみ・りんか・みっつ・あやみ。バイセクシャルのゆかりは話がやや合うので、こっちの処女組に自然と流れてきた。  処女組はどちらかと言うとまとまりがよく、薄給でもお金が掛からず遊べる秋葉原へとよく歩いて充足する。大体はメディアショップ巡りに、飛び込みの投げ銭ステージで上がり、スムージ代は確保する。ままアイドルにならないかは、ええアイドルですと笑顔で返すも、スカウトは熱心だ。スタッフに後に聞くと、AV行きのイメージビデオパッケージの事務所が全てらしい。一回位出てもバレないですよねと、女性フロントマネージャー磯貝亜生さんにこそっと話すも激怒される。日本国は契約書社会、免責事項多々で、東京湾に沈みっぱなしだと保険金中々降りないわよと脅される。そうかなだが、昨今の日本国は100万円の手数料で殺害出来る社会なので、あり得ると今になって思う。  非処女組は、基本単独行動。たまに利害の一致があって、合コンの数合わせで合流するが、まあ派手だ。と言うわけで手当たり次第にに行くと、その1ヶ月は身の丈が合わず、非処女組は財布が空っぽの返り討ちに合っている。身の破滅は1円から始まるとは、これも後に漸く思い知る。  合コンのヘルプの大凡は、取り敢えずボディコンシャスにショール着ていればドレスチェックはスルー出来る。  そして今回、ゆかりにどうしても頭数が足りないと、処女組にもヘルプを依頼された。ゆかりとは、事務所の枠を超えて、演歌歌手の芝崎一文先生との一門なので、無下には断れない。  そもそもこの時点でのTACCHは、仲違いして処女組と非処女組に別れてる訳では無いので、取り合えず条件は出した。CDセールスのプロモーションは必須。僅かでも歌唱印税は貰いたいのは皆の為だ。  ただその合コンとは、渋谷の8階建大型クラブsegment にて開催。8階まで吹き抜けの大型ホールで、新興IT企業連合の新人歓迎コンパで、トランステクノの音楽に乗ってお立ち台で踊ると言うものだ。それ営業でしょう。きっと新しい出会いあるよと囁かれたらしい。営業案件としてマネージャーに持って行きなよ。取っ払いがあるし、新興ITは子供の様に好き嫌いがあるので大人が入ると面倒。新興ITとは今後の付き合いも良好にしたい。やむ得ず、ゆかりもIT企業令嬢だから顔を立てる事にした。  そんな成り行きから2016年3月下旬当日13時。ゆかりから、肩出し超ショート丈のボディコンシャス30着用意され、さあさあ、ブラ無しTバックで、タクシーに乗せられる。クラブの照明ならハメを外した軽装でも気にも留めないだろう。  渋谷のラブホテル街の一角のsegment に乗りつけ、ゲスト用の受付けに入ると、タクシー券一束と百貨店のスーツお仕立て券の寸志を貰う。そして、お守りと書かれた袋には、5枚のスキンが入っていた。これ何ですか。社会人ですので感染病予防対策ですと事務的に返されたので、まあいいかでサインインした。  Segmentは円形ホールのコロッセアムで、8階まで響かせる音響なので、フロアはトランスの官能音質に爆音の4つ打ちがうち響く。新入社員らしき若人は、スーツにドレッシーで軽く身体を弾ませる。2016年の今の時代でこんなバブリーがいるのかと、やや驚く。都合約1000人。合同コンパだが、まあノリが良いのはいいことだ。  1階フロアには、DJブーススーペース、中央に巨大お立ち台ピラミッド、8階迄の側面には曲面モニターでVJも大活躍。  いや、このお立ち台がネックだ。TACCHは全員招集に、中堅どころの男子と女子のアイドルグループも大勢呼ばれている。火花が散るかと思ったら。付き合いも大変よね。そうですねと会釈をする。まあ幹事役に呼び込まれたそんな感じか。ただ、エントランスで見かけたAV穣幾人もがフロアにいない。そして、いつの間にか非処女組が何処にもいない。さてになった。行こうか、VIPルーム6階7階8階。大体、チル音になると、吹き抜け2階以上の部屋から女性の喘ぐ声が響いて来る、さてもだ。  私はフロアを抜け、エレベーターボーイが顔パスで7階のボタンを押す。8階は政界関係者がいるので7階の案内になった。  そして7階を、ツカツカとヒールを鳴らしながら歩くと、黒服がおしぼりを渡し、VIPルームのドアを開き、右口を指す。聞こえるあいつらの本気の艶な声。それ本業に活かしなよ。そして件のボックス席で立ち止まると、5人がアクセルを踏みっぱなしにアンアン言いっぱなし。全裸の男性ITエリート陣の上に、ボディコンをたくし上げ胸をむき出しにした、非処女組が跨っている。大人の営業中結構な繁盛ぶりだ。 「ゆかり、なつみ、りんか、みっつ、あやみ。私達は踊っての営業でしょう」  まあ、アンアンしか言わないから、そのままVIPルームを後にした。黒服に、奥手のエリートさんいますけど紹介しましょうか。処女ですからと丁重に断った。グッドサインは、私の処女を額面通りに信じてくれたらしい。まあ黒服のプロには違いない。  さあ、悪いもの見たし帰ろうとフロアに戻ろったが、わたりがお立ち台ピラミッドの頂点で踊り狂ってるので、やれやれになった。  そうとは言え、有名どころのレジデントDJが、粋なトランスミュージックのアッパーチューンを掛けるので、これも勉強かと、給仕からフロートソーダを受け取り、しばし身体を揺らした。ダンスミュージックは好きだが、踊りがシスティマティックになってしまっては、お客さん退屈だろうな、どうフィジカルアレンジしようかが浮かぶ。  そしてほとぼりを冷まそうとエントランスに出た。さくやとたんごに出会し、私が処女組の席番として椅子の見守りに入り、ラテ・ホットドッグ・アップルパイの出店サイドメニューを待つ。  この間に、私は立て続けに3人にナンパされる。どうやら、私をゆうりと知らずナンパしてるので、説明が面倒なので連れがいますからと追い返す。  さて、私はうんざりしながら、髪を高いポニーテールに引っ詰め、アイラインも上に長く書き、いかにもダンサーで踊りに来てますを仕上げる。すると、一瞥送られるも、雰囲気で次に行こうかで立ち去る事を成功する。  ただ柔和な顔の男性が私の右隣にサワっと座る。人気DJのスコアだ。 「お姉さん、恐らくテレビで見た事あるよ。かなり踊れる方でしょう。ゆうりさんだったかな。覚えてるよ」 「ええ、自他共にTACCHのトップダンサーですから」 「ああ、やっぱり。今日は、大人びてるから誰かと思ったら、そうだよね」 「それで、DJスコアさんが、一般エリアに入って寛いでもいんですか」 「海外行ったら、そんなものだよ。ハイ、うちのクラブにも来てよみたいな」 「へえ、面白そう」  私の顔がいつもの年齢そのままの笑顔に戻ったか、DJスコアさんも笑顔で海外でのクラブ活動を自慢話なしで聞けた。華やかなオランダミュージックシーン、何か短期留学したくなった。  この間に、さくやとたんご、フラフラのわたりが戻り、何々良い雰囲気と囃し立てる。私は、TACCHのRemixもして下さいよ。小栗泉さんのメインレーベルとは提携して無いから、難しいかなと丁重にお仕事の事情を述べられる。そうこうで、そろそろブースに入るから、盛り上げてねと後にされる。  私はちょっと待って。私は堪らず追いかけて、つま先を精一杯伸ばし、DJスコアさんの右頬に口付けをした。雰囲気の絆されたとかではなく、心から、いつか一緒に仕事をしたいからだ。絶対いつかお仕事しましょうね。ok。  後に、時間は掛かったが、流行病禍での全5回の配信ライブでは、DJスコアさんが参加して、激アツのmixを作って、無観客でも私は燃えた。合コン強制参加とは言え営業は参加したと言える。  芦間知音プロデューサーが面白い出会いですね。その後DJスコアさんとはどうなったのですか。ああと、何かと仕事で燃え尽きてペッティングすらしていない。今だったらSEXかだ。今思い出したので速攻フリックで、込み入ったお食事しましょうとその場でメールを送ったら、今は地元の長野に戻ってDJしているからおいでよになった。ええ是非また日程調整しますグッドサインスタンプを付けて送る。私は、来年スケジュールのページを次々捲る。夫さん不在の休養日が、2月上旬にある。雪を見ながらもSEXもいいかなと、静かに心を踊らせる。  ◇  そうこうで、2016年7月ー9月の「Tokyo Meeting.2」通期新公演は、がむしゃらだけで乗り切り、その新人2年目らしい情熱さだけで、公演記事は賞賛を受けた。全力投球が微笑ましい。しかし小栗泉さんから、未だビギナーズラックは何事か。えらく根を詰めて説教を受ける。都合2日。己のストロングポイント3つ強化案の20枚レポートを、小栗泉さんに提出する次第になる。そもそも感想文なんて、もう少し捻ろと学生時代から赤ペン入れられたので、こういう座学は本当苦手だ。  そして11月15日は小栗泉さんと小栗陸さんの双子の誕生日。3rdシングル「私の愛した彼氏」のプロモーションは一区切りし、関係各位を労う目的で、誕生日週末は、泉さんの、磐田市山あいの3階建プライベートスタジオハウスで大誕生パーティーを行う。  私達はホステス制服で参加し、1階の大ガーデニング会場にて、次々飲み物を切らさずゲストに給仕に当たるとの指示書を渡される。  アーティスト小栗泉は、大学在学中の2000年にミレニアムデビューする。インディーズシーンでは、キーボード:小栗泉、ベース:小栗陸と軽音楽部のバンド編成だったが、プロデビューに際しては小栗泉のソロに集約される。作詞作曲は小栗泉、編曲は小栗陸だったが、小栗陸が大学卒業するとレーベル社員になったので、小栗泉にパーマネント活動に入る。  小栗泉は、その美貌と立ち居振る舞いも有り、映画2本とドラマ1本に出たが、基本堪え性が無いので、音楽活動に専念する。CDが売れない時代だが、小栗泉の声を聞くだけでも心地良いになるという、トップアーティストのステークスそのものを示す。  首都圏ツアーは適時、アルバム発表は2年間隔とあり、そのやや余裕期間にTACCHのプロデュースを快く引き受けてくれた。私は、いや結果はこうでして。泉さんは、楽しいだけで5年継続してくれれば、十分なフォローバックだと太っ腹さを見せてくれる。  そう、常に期待に応えかったが、やっとの恩返しが出来たのは最後の1年半しかないので、本当申し訳ない。  小栗姉弟ゆかり関係者とあって穏やかな誕生会は進む。給仕は順調。わたりのボーイッシュは兎角人気で、同じ浅黒具合のファッションモデルの伊達小湊に絡まれていた。私は、わたりに給仕してとメンチを切るが、どうにも伊達小湊に抱え込まれては脱出しようがないらしい。  仕方ない。私は伊達小湊に歩み寄っては、パーティーの運営があるので給仕を解放して貰えますか。伊達小湊は私の給仕制服の上からお尻をがっつり揉みほぐし、優しくアナルの上を撫で回す。これは開発されている上での愛撫だろうが、欧米人でも無いのに、そうは問屋が下さない。  へえ。伊達小湊は私に飽きると、同じくわたりのお尻とアナル上を撫でまわすと、わたりがついイイと喘ぐ。お前はそっちも開発済みか、知るかと、愛想尽かしてその場を後にする。伊達小湊、そもそも双子巨頭の誕生大パーティーに来て同性セクハラする度胸も、いや美人だから許されるし、誰もいなかったら、その貪欲さに惹かれてベロ吸い尽くしてたわ。  主役の泉さんは、艶やかに尾てい骨迄見える背中が大きく開いたイブニングドレスで皆と歓談をする。普段の厳しい泉さんしか見れてないから、こういうのは眼福と言うのだろう。そして泉さんが疲れたから、3階のテラスで寛ぐ給仕してくれと、私が引き抜かれる。  3階の屋外テラスでは、泉さんと、恋人の慶饗大学病院脳神経科主任筧繁二郎さんと仲睦まじい恋人の会話から、大人の終わらないキスを堪能し、適切なタッチを往来する。  そして、私でも分かる男女の昂りが来ると、泉さんが銀のイブニングドレスをはらりと下ろすと、ノーアンダーウェアから、欧米人並の肩幅のある裸体を示す。そして、泉さんが屈むと、繁二郎さんの反ったペニスを丁寧に含む。  私は不意に我に返る。堪らずあのう。泉さんは、私の誕生日でもあるが、陸も誕生日、ホストは一人でも何ら問題無いだろう。泉さんは全天候ソファへと繁二郎さんを手招き座らせる。そして泉さんが大き被さると、対面立位で繁二郎さんに深くもたれる。後手で、繁二郎さんのペニスをカントへと導く。  全く。下でパーティしているのに大胆だな。恋人ならではの親密な、交接部のジュプリジュプリの愛の深まる音が聞こえる。とても良い。そう言えば私は、SEXシーンはまま見るも、恋人同士がSEXしているのを見たことがない。そうかSEXって、こうするのかと刮目しかなかった  私も木のお盆で股間を隠し、目の前の濃厚な愛のあるSEXを見ながら、スカートを密かにたくし上げ、クリトリスを丁寧に撫でる。繁二郎さんはAV男優にないスマートさで新鮮だし、泉さんの肢体も、日本人離れした欧米人的のお椀型のグラマラスで見惚れる。繁二郎さんも下品にならない、泉さんの胸を果実を扱う様に握るのがツボはハマる。泉さんも、いつも低音ではなくアンアンと実に軽やかな吐息が漏れて、実に微笑ましい。一言で言えば、互いの全ての仕草に愛おしさがあり、私は初めて、こんなSEXしてみたいの羨望が湧いた。これなら男性に抱かれてみたいと。  実は密かに思っていた。いつか泉さんを抱いてみたいと。ただ目の前で繰り広げられる、絹織物の様な繊細なSEXを見ると、泉さんは決して女性を性的な対象にしないのだろうと深く悟った。TACCHの実の弱さがここで、女性のヒーリングにも届く官能さがどうしても欠けている。もっともそんなアイドルグループなんて有りはしないのだけど。  何て気持ちのいいSEXをしているのだろう。確かに冷静に見届けられるのは私位だろう。私は気丈に立ちながらも、クリトリスを擦って3回連続で行く、下着も愛液で濡れっぱなしで、早く着替えたいはとっくに失せた。  そして永遠のカップルが、行く。良いわ。ああと私も堪らず便乗してしまい、膝がやや折れながら3人一緒に行く。  泉さんと繁二郎さんは、共に堪能し息絶え絶えで果てている。私は給仕役として、泉さんの、愛液と精液で濡れた股間を、おしぼりで丁寧に拭く。不意に、繁二郎さんのペニスも口で拭いた方がいいのかなとじっと見つめていたら、先に泉さんに咥えられた。しかも情熱的にディープスロートをする。泉さんの男性的な性格から、実は奥手だと思っていたが、女性のあるべき佇まいを見てしまった。そう、売れると律しないと行けないのかなと、やや同情し学習もした。  それから、私の泉さんの誕生日大パーティーの給仕は、事務所を卒業しても続く事になる。そして私が処女を卒業すると、繁二郎さんのペニスの後処理と繋ぎのフェラチオも任される様になった。優里、成長したね。ええまあ。の旧交を温め続けるのは嬉しい。とは言え、本当、泉さん。いつになったら結婚するのやら。  ◇  ドキュメンタリー収録は、落ちぶれた芸能人の暴露話にならない様に、芦間知音プロデューサーの編集後リテイクサイズはこうですの方針を受けながら、TACCHの懐かしい日々はこうですよね。SEXが悉く没られたら、この根性って何だろうになる。まあ皆が求める結束の固いTACCHは印象はそうだろうけど。  ドキュメンタリーの収録は5日間取っていたが、どうにも、私的に節回しが納得行かず、自らのリテイクを重ねる。SEX話が没るなら、その官能さをイントネーションで示して見ようかだった。  一次映像はこうとプレイバックしながら校正と了承を入れられる。芦間知音プロデューサーの編集センスありきの、取り敢えず包み隠さず話し、そこから配信向けに語られるリサイジングにされた。勿論秘密にすべきSEX話は9割カット。校正編集の骨の折れる作業は無論分かっていたが、私が配慮しながら掻い摘んで話すと、若者の性欲過多のSEX記号化なるので、そうじゃないと、端折りたくはなかった。  結局は、私とプロデューサーのタイマンで、ドキュメンタリーは10日間の収録と極秘会議になった。私は半分オフ期間だったので時間の融通はついた。都度の方針で3週間掛かるかなだったが、担当の芦間知音プロデューサーが有能だったので、ここは大いに甘えられた。  私は語り尽かして疲れたがある筈だが、懐かしさが愛おしかった。スマートフォンに残っているメンバーの連絡先を都度眺めるが、ほぼ不通になっている。もっともメールを送った所で、元気にしてる、何て、30代ではまだ生々し過ぎて本音で話合いは出来ないとは思う。  ◇  そしてインタビュー最後に、デビュー前に一部の都市伝説週刊誌に書かれた、新星10人組アイドルグループ、肉体接待お披露目の事を芦間知音プロデューサーに斬り込まれる。  嘘か真か。SNSでは折りに触れて都市伝説になっているそれだ。どのアイドルグループかが都度考察されるが正解は見た事が無い。それは人数は違うが、TACCHに相違無い。TACCHは根性グループで清純に違いないは、ファンの一願望だからだ。  そして芦間知音プロデューサーの茶封筒から、出席写真13枚が提示される。若くハンサムもヤンチャそのものの男子達。ふーん。TACCHのメンバーカラー6色のそれぞれの色の使用済みスキンを掲げるアホな男性9人集合写真。そして接待最初の乾杯集合写真に私も映る。私達のボディコン戦闘服、まあ懐かしい。これでは余罪多い有りと受け取られてもしょうがない。13枚持ってるって事は、軽く5倍持っていようか。まあスマートフォンの時代だから、その後の相当な写真はあるには違いない。  それは2015年3月末のデビューお披露目直前の事だ。みっつ・さくやの高校卒業組記念パーティーとして六本木に招かれた。たんご・かるら・ゆづる・すずかは高校生だからと弾かれた。まあ現役高校生相手に祝い酒飲ますのはとやや悟っていた。そうとは言え、この時点では、私でもまだ成人に至っていないが。まあ接待だし、多少の浮かれは必要だろうと若い世代の付き合いに準じた。  まず使用済みスキンになるが、それはご覧通り、基本6色とは非処女の6人を示す。なつみ・りんか・みっつ・あやみ・ゆかり・わたり。それはそうだと時間を超越して、怒りが沸々と湧いて来る。事前の諭しも無く勝手に巻き込んだ事への不満だ。そのお相手は建設系御曹司達だ。それがいつの間に写真流出とは、所詮私達はそんな扱いか。  芦間知音プロデューサーが、これは泉さんが斡旋したのか。いいえ、なつみが六本木で大仕事だと貰って来て、六本木の和洋折衷料亭に入った。社会人全般おめでとうから、酒盃競争、ゲーム大会、野球拳。野球拳は室外大ジャグジーに入る為の水着への着替え有りきだから、まあ、付き合いで全裸位はサービスだ。敏感におっ勃つのでつい爆笑はしたが。  まあここ迄はノリだった。ジャグジーで仲良く混浴も、さりげないボディタッチが来ると拒んだ。私とさくやは処女ですからと宣言すする。その反動で、非処女組がああんと漏らし始め、ジャグジーの中でさぞや弄られていたのだろう。  ここから調子に乗ったのか、ジャグジーから上がると、どこで買ったのかの透け透けレオタード差し出されて、何それ、なつみをはっ倒した。まあ付き合いだからやむ得ず着た。  そしてアダルト路線に舵が切られて、性器綱引きで、勝利者10万円の封筒。ここで処女の私ゆうりとさくやは、処女膜があるので不参加。そしてツイスターゲームは穢らわしいので不参加。こんな醜態いつまでしていられるかで、なつみをまたはっ倒して、さくやと一緒に着替えて部屋を後にする。帰りがけに王様ゲーム!のコールが入ったので、咥える以上の事もしたいだろうと察した。  翌朝、束になって非処女組は疲労困憊で朝帰りした。鞄からは勝利者10万円の封筒が夥しく溢れていた。なつみが長者で軽く20枚。まあ一発も10万円だろうと思うと、結構値踏みされたものだ。非処女組はグループSEXを満喫したか、昼迄イビキをかいて寝ていた。そのあまりの豪快さに、六本木の和洋折衷料亭に行かなかった非処女組にもあらましを話た。心からの本当呆れる。三日は派閥同士で睨み合いになった。  ただその接待の結果として、建設系御曹司達は、TACCHの活動を援助してくれた時期はあった。活動初期の通期公演チケットの大量買い。そしてパトロンとして、非処女組にも影で援助して、羽ぶりのいい時期は確かにあった。ただそれも22歳を超えると、あっさり見限られた様だ。男性は果実のような若い女性が好き。恋人ですら無いのだから、それは投資の対価として今までありがとうございましたと、彼女達の事だから言わなかったと思う。  優里さんも、対価を得るものとしてSEXしておけば良かったのでは。お金で立派なペニスは買えませんよ。それもそうよね、それで女性の世界にも愛着を持つ。ええ、否定はしませんよ。女性をより引き出すのは嫉妬です。私より美しい、私は、ええもっと、あらゆる手段で美しくなれるわの気持ちが無いと、私はここ迄伸びていないですもの。  日々どこかのベッドで自慰にペッティングにSEX。めくるめく女の園の入り口が有る。性欲を満たしたいのか、愛情が欲しいのか、生まれ持って抜け落ちた形を埋めたたいだけなのか、その正解は今も分からない。  その正解を求めているからこそ、TACCHの全てを知りたいと、プライベート個人事務所オフィスだんぐりの団栗治郎社長の伝手で、今回のドキュメンタリー配信のお話が降りてきたのは、新たな区切りかもしれない。この埋めようの無い、心に穴の空いたままの今しかないと、芦間知音プロデューサーインタビューに嘘偽りなく答えている。  淡々と、私を始め皆の恋愛遍歴を述べているけど、女性の戸惑いは伝わっているか。大丈夫です、心が切ないです。芦間知音プロデューサーは3年前に、泉さんの密着ドキュメントも収録しているので、TACCHの事情はなぞれて話はツーカーで伝わる。最後迄気兼ねはなかった。心の荷が降りたと同時に、子宮が一気に疼き始めた。 「ごめんね。気持ちが高まったので、したいの。ベッドルームいいかしら」 「良いですよ、私も付き合います」 「切ない自慰に付き合う義務はないのよ。知音は優しいのね」 「今の優里さんには、自愛が必要ですよね」  私達は互いに脱がし合いは全裸になり、手早く弄った。取り敢えず男性の様にピークに達しておきたい。つくづく男性の身体は本能でよく出来ていると思う。柔らかい手でのきつめの手淫が、お互いのバイブスも伝わって心地良い。  知音が気を利かせて双頭バイブも用意したが苦笑いした。ほら私って、7年前に漸く男性知ったから大層なものは、経緯も有り今も苦手だ。温もりのある人間の手の方が、今回のドキュメンタリーの慰みに相応しかった。  私は自らのカントを弄りながら、でも素敵なペニスはあるわ。そう夫さん。夫さん、素っ気無いけど、記念日には燃え尽くす思い出が、今、身を焦がす程、膣の中で夫さんサイズでエレクトしている。夫のペニスに見立てた人差し指中指が、こうぎゅっと包まれる。私って日々女性の身体に沿っているのよ。ねえ、これを毎日してよ。夫さんは、そうだねと。折々ベッドで盛り上がれるのに、イベント位にしかSEXをしない。その、のらりくらりでお陰で私は身体を持て余す。当然、旦那以外でも致すのは、身体の求める性衝動だから、後腐れなければ、今の時代の不貞の定義には入らない。  私と知音は向き合いながら、互いに長い足を投げ放ち、互いの両足の裏を合わせる、自慰鑑賞会は、都合開始5分で、行く行く行く、私も、ああ、ビクンビクンと果てる。ビジネス自慰かと思ったが、互いに愛液がツーと流れ出たので、本気には違いない。  ああ、やたら早い。それは収録10日、ずっとSEXの事を語っていたら、やっとの理性で保たれていたが、知れず子宮も疼きまくって仕方もない話だ。 「知音、誰で行ったの」 「優里さんが、そう、余りにも夫さんと言うので、つい同じお相手を想像しました。夫さん、少女漫画に出てくるハンサムですから、セックスシンボルとして致し方ないですよね」 「そうよね。夫さん素敵なのよ。今度3Pしましょうよ」 「またまた。でも、そういうシチュエーションになったら、すくんでしまいますね。取り敢えず撮れ高入ったら、エステに行かないと」  知音は信じられないのか、ここは社交辞令かで流される。いや夫さんの長身女性好きは分かっているので、どうにか寝技に持ち込める。時間を掛けてでも、是非燃えてみたい。私が仕上げた知音で果てる夫さんも、凄い興奮するだろうな。でも、優里が最高。これいい、凄い燃える。  そこで私は切り出す。インタビューは、TACCHと共に天宮優里の私語りするも、現在の本姓白浜優里の女盛りも話さないと片手落ちとは思う。そうでしょうか。今回の渾身のドキュメンタリー配信反響ある筈だから、次回作は天宮優里密着ドキュメントを時おかずしましょうと、健気に営業をする。その為にも自宅に招き接待すべく、次の構想を積み重ねましょう。  いや待て、あちゃあ、夫さんがいるのは3ヶ月後だ。夫さんとの初3P予定が先とは、どうにも合点がいかない。堪らず、夫さんにスマホで電話を掛けた。Artificial Sports Carのアジアツアーだけど、一旦日本に帰って来れない。優里何言ってるの、撤収。の声が遠巻きに聞こえるとガチャ切りされた。私があんまり肩を落とすので、知音に慰められた。夫さんが素っ気ないのはどこの家庭もですよ。いや3Pがね…とは流石に言えなかった。知音が今からイメージトレーニングしたら、絶対起爆しなくなる。ふう。  芦間知音プロデューサーがスーツを着て機材を畳む中、私は熱った裸身そのままで、股間をギュッと締め付ける。  余りに懐かしい思い出が出たので、無性に身体が疼く。その性衝動は昔と変わらないが、結婚して、子供も出産した事で、原始的な性衝動も迎え入れなくてはいけなくなった。子宮は広がったが、まだ乳頭もカントも未だ淡いままだ。江戸時代にフランスからご先祖様の遺伝子に感謝すべきか。  さて、先程は夫さんで行ったし、今度は誰をオカズにか。スマホの膨大な遍歴アルバムを捲る。夫さんには悪いが、生涯二番目の男性がどうしても思い出深いものだ。セカンド・ラブ、今も鼻の奥で香りが残ってる事は、当時それでも余裕があったのだろうと、淑女たるほくそ笑みを浮かべる。私のインプレッションは凄まじく、これぞの男性は、どのペニスも素敵に尽きる。  いいわ、そのペニス。ねえもっと見せて、ああ。私は、右乳頭をつまみ上げ、今では大人のカントへと左手の中指薬指をスムーズに擦り上げる。カントとてもよく仕上がってる。セカンド・ラブのサムライペニスはとても硬くて、あの時だったら壊れていただろうが、今は存分に突いて欲しいと思う。そういいわ、その我慢もあって、朝から晩迄燃えたものね。でも、サムライペニスも所帯持ちか、何か勿体無い。久しぶりの帰郷だからSEXしようと、言おうと思えば言えるし、あちらさんもウンとは言うだろう。ふん、茶番ね。私はいつから行きたがりの身体に仕上がったのだろう。そのペニスも素敵じゃない。私はその都度女になって行ったもの。そうよ。素直に夫さんが振り向けば、こんな不埒な事はしないのに。  この愛の遍歴こそが、白濱優里としての淑女の最果てだ。私を手懐けられる愛する夫さんも、ああ愛されて良かったと思う。締めの自慰は、結局は夫さんサイズの人差し指中指で、ごく自然に行き果てる。  そして私は、青春物語を読み解き、改めて見事に自慰で行き果てると、裸体のまま大の字に豪快に広がった。  人影、知音が私の額の髪を掻き上げ整えると、おでこにキスをする。そう言う事ですよね。ええ正解。知音の、想像物語を損なわないセンスには脱帽だ。夫さんがいなくても、ゲストを入れて3Pしようかなになったが、素直に知音が、夫さんがノックアウトされる所を、まず見て感じて、この気持ちを共有出来るソウルメイトを作ってはみたい。  ◇  TACCHのドキュメント配信番組「TACCH -The name of PURE-」は、お正月番組の目玉タイトルとして5話構成で世界配信された。  まあ、何の事はない、生々しいSEXの情欲話は無く、事件事実関係だけはキャプション的な扱いでクロニクルされる。  しかし、私インタビューの8割は使われておらず、そんなにSEX話が多かったかなだ。その分、盟友にしてTACCHの超初期メンバー瀬戸迦楼羅の落ち着いたナビゲーションが優しい。  TACCH時代の貴重な映像に音源は、プロデューサーの小栗泉さんが気前良く出してくれた。お礼の電話をするも。アイドルプロデュース稼業はもう無いだろうからと、結構切ない。デビューはヤングアーティストだったのに、最後はアイドルにしてはえらいエッジがある扱い。総じてアイドルだったかと、これが現実かと。  お話は年代別に再構成されスタイリッシュに。各メンバーの扱いも均等。どの回も凝縮され、TACCHならではのスピード感に溢れていた。何より、ホテルのビジネススイート録りでも、私の映りがどれも良いアングルで、売り出し中堅の女優さんぽい。これは芦間知音のプロデューサー兼カメラマンの腕前が何よりだ。そして同じく、芦間知音自ら編集のエピソードのチョイスセンスも最高とは思った。知音の欠点って何だ、男運だけか。  ただ、官能描写が一切無いので、見返しても手がご無沙汰になるのは寂しい限りだ。  ふむと。配信を見返すたび、何かにつけSEX、自他共にSEXの話題が満載だったのに無い。ああ、あれは削れないでしょうと、今も頭の中が飽和する。綺麗事じゃないのよアーティスト業は。でも一般認知はアイドルだし。  そもそも、処女以来の骨格に体型を維持し、バレエダンサーであるべきを矜持に、ずっとバレエステージを待望していたが、機会は恵まれ無かった。そう、三食食べる為に、女優業に埋没したのが、気の迷いだったかもしれない。  そうとは言え、女優の下積みがあってこそ、初めて何もかも捧げても良い男性に巡り合い、女性の喜びを勝ち得た。本懐のバレエとは、何を投げ打っても遂げるべきで、芸能界と言う回り道などは、思った以上に有り得ない。その一途な道の喪失感。誠心誠意バレエに捧げ、己の能力を把握していれば、大小問わずバレエの職業につけた筈だ。そう、私はソリストとして出来る、の我がつい勝っては、良からぬプライドが発動し、きっと誰かが見つけてくれるの自信があった。ただ、そうはならなかった。これはバレエの為に生きて、もがき苦しみ、己のバレエを見せ続けていないと、バレエダンサー白濱優里の認識も何も生まれないだろう。日本がバレエの小規模市場だったら、海外にも挑戦すべきだったかも知れない。生きて行く事は何事も難しい。  そうしたバレエへの逡巡と、バレエへの退路を断つ処女を失ってからは、SEXへの衝動性が勝り、貞淑の垣根が低くなる。今迄我慢していたものは、それはそれで尊い。  バレエがあってこその私。SEXに埋没する私。どちらも、好きで、そんな揺らぎを含めて愛してくれる、夫さんにやっと愛される事は、運命とは思う。そうかな。あっさり、そんな太々しい事言う夫さんと戯れ合うのも、凄く楽しい。  そうして、「TACCH -The name of PURE-」のシリーズ累計再生は3000万pvを越えてから横ばいになった。そうとは言え、TACCHを最近知った若い女性からは、キャーキャーとサイン頼まれるし、写真も取るし、しまいにはダンス動画も付き合う。うん、これはこれだ。ただドキュメンタリー配信では、レズビアンの言及はバッサリ切られていたので、男性との距離感が取りにくく、エアタッチでイエーで済ませる。まあ昔の私だったら、固い笑顔で手を振るのがやっとだったので、成長はしてるんだなはある。 「TACCH -The name of PURE-」は海外ドラマの1/4のスコアで、あら、現実はそんなものかだった。TACCHの出世頭の中堅女優がそんな感じだと、やはり朝のごきげんようドラマの脇役から始まって主役務めないと、国民認知度は振るわずかだ。  ただ、芦間知音プロデューサーからテンションの高い電話が入った。配信制作元のLEDSAURUSで天宮優里ドキュメントの企画が、満を持してGOが出たと。制作優先順位も上なので、近々覚書きお持ちしますと。社長暇だからいつでも大丈夫よ。何処から密着OKですか。カントが見えなければ、日本側で規制されませんよね。リップサービスと取らず、前ばりも如何ですから努力しますと答えてくれた。まあつまらない青春を過ごす諸兄らの為に、胸は今日から丹念にスキンケアしておこうとは思う。  いや、何よりだ。最近夫さんと仲がギクシャクしてるので、念願の知音をゲストの3Pが叶うのかだ。いいよね3P、充足感があって。きっと良い潤滑油になると思う。 「それで、知音。今週の土曜日に空いてるわよね。夫さんを交えて、オリエンテーションしたいと思うの。ブランコード高輪ホテルの晴天で夕食しましょう」  No.は言わせない。ブランコード高輪ホテルは定宿なので、マスコミ対策は万全、一緒に夫さんをきっちり絞り上げようか。
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