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皆がお互いをちらほら見る。
無言で「やっぱそうか?」「いや、そうに違いない。」「つまり、そういう事か?」「やってる!?」「まさか!」「じゃあ、この声は何なんだよ。」
皆が目で激しく会話をしだす。
私も信じられなかったが、確かにこのハウスから女の喘ぎ声は聞こえている。
暫く女の喘ぎ声は続く。
反射的に男共は自分の股間をまさぐり出す。
恥ずかしげもなく、皆自分のちんぽを摩擦する。
見えないのが残念だが、でも息づかいは手に取るように分かる。
「あっ、、いいっ!、、んんっ、、はあっ、、」
やまちゃんの声は聞こえないが、明らかに彼女はやまちゃんに攻められているのだろう。とても気持ち良さそうだ。
我々も堪らない。
久しぶりに聞く女の生の喘ぎ声。
「あ、、、んんっ!!!!い、イッちゃ、、うっ!!、、んんっ!ああっん!」
彼女がイッた様だ。
暫く
「んっ、、!んっ、、!」
と余韻の様な小さな叫びをあげていたが、やがて静かになった。
逆にハウス周りの男共もその辺に精子を巻き散らかし、そこらじゅうで
「うっ!」
「ううっ!」
という小声を聞いた。
やまちゃんがハウスの中からもりちゃんを呼んだ。
もりちゃんは冷静だった。
指示通り、やまちゃんの狭いハウスに入って行く。
いくらか話をした後、もりちゃんと女が出てきた。
周りの男共はオカズになった彼女を好奇の目で見た。
そしてもりちゃんが説明してくれた。
「来週彼女はまたここへ来てくれるらしい。失礼のない態度を取れる人間だけ、話相手になってくれるそうだ。」
もりちゃんの高圧的なセリフに彼女も困惑していた。
「あ、、あの、良かったら、なんですけど、皆さんとお友達になりたいです。また、来週来ますね。あ!決して怪しい者ではありません。皆さんから見たら充分怪しいと思うのでしょうが、、、」
おずおずと彼女が言う。
お友達?
イクぅ!って言ってるのが?お友達?
皆、それぞれに困惑したが、考えてない奴は素直に大喜びだ。
ただ単純に「やれる」という喜びは皆が感じていた事であろう。
どんな背景があろうが、目の前に若い女が現れて、好意的にしてくれると聞いた日にゃ、我々には奇跡のご褒美、いや、天国といっても過言ではないし、そもそもここの主ともりちゃんのお墨付きとあれば、問題はないはずだ。
その日は彼女は挨拶だけをしてそのまま公園を後にした。
ここに来てから女というものに全く縁のない我々は暫く興奮の中にいた。
真相はやまちゃんともりちゃんしか知らない。
けれど彼らは特に何も語らないし説明しないので、我々の勝手な妄想や憶測は更に刺激的にした。
その晩は皆、熱くなってなかなか眠りにつけなかったという。
かくいう私だって、本当に女が公園に来たのか?あのやまちゃんとの出来事は夢ではなかったのだろうか?
数分といっても彼女の姿形は脳裏にこびりつき離れない。
薄い水色のワンピース、
白い肌、
整った顔、
小鳥の鳴き声の様な声、
清潔感しかない立ち居振る舞い。
あの女が本当に来週来る?
まさか、どんなつもりで?
からかわれたに違いない。
我々の様な底辺を相手にする様な相手ではない。
皆、疑心暗鬼、多少わくわくでその一週間を過ごした。
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