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ハサミ
僕は道をただ歩いていた。
その時、ふと気になって上を向いた。
何かキラリと光物が見えて、僕はその光る物に
『身体を真っ二つに』切り裂かれた。
だけど僕は一滴の血も流さず
二つに分かれた身体ごと生きていた。
・・・・・・
「ママー、弟が漫画ハサミで切っちゃったぁ」
「仕方ないわねぇ。それお兄ちゃんのでしょ。
セロハンテープを貼って直しておいて」
「えーなんであたしがぁ」
「プリン食べていいから」
「はーい♪」
・・・・・・・
僕は道を歩き続けた。
何事もなかったのように。
ちょっと身体の左右がずれていたけれど。
了
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