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三日前にアタシとミッチーの「未来日記」が終わった。
さっきまで雲の隙間から薄くて細い太陽の光が、濡れたアスファルトに反射して宝石みたいに見えてた。そして買ったばかりのブーツで水溜りを蹴飛ばしながら学校帰りの駅までのいつもの道を歩いてた。すると突然空が暗くなった。その時だった。
「栞ーっ!」
春先のただでさえ淡い景色が
煙るような雨の中
手を振りながら駆け寄って来るのは
小中高、そして大学までの腐れ縁の
新田依子。
小顔で小柄で目が大きくて
その癖、性格がきつい女。
「待ってって」
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