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「あ、あ、もう入れて……っ」  譫言のように小さく叫んだら、高久さんは僕の砕けそうな腰を支えてくれていた手を外し、髪をやわらかく梳いた。 「欲しい、ですか」 「はい、……もう、我慢できません」  耳の上、こめかみに近い髪に口づけられ、肩から顔を上げる。  いつもみたいに穏やかじゃない、凶暴さを帯びた男の視線と間近で目が合った直後、後頭部を引き寄せられ、キスされた。  舌を吸われながら、ゆっくりとまとめた指が外に出ていく感覚を追う。  なにも入っていない状態になると、僕の尻は続きを求めるように勝手に揺れ、また穴がひくひくと震えた。 「このまま、寝転がれますか?」 「やだ、もう早く……」  背中を支えながら肩を押され、抵抗した。  きっと、もっと楽な体勢や準備なんかがあったのかもしれない。  だけど一時も待てない僕はその体勢のまま、高久さんの屹立の上に尻を落とし、自分の後ろに丸い先端をこすりつけた。  はじめてのくせにすごくはしたないことをしているのはわかっている。  だけど欲望に忠実に振る舞う僕を、高久さんがすごく愛しげな目で見上げてくるから、淫らな自分をさらけだしてしまう。
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