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「好きです、高久さん。僕はあなたのことが、好き……、好きなんです」
言葉にすることで気持ちがあふれだす。
仕事のことも、麻生さんのことも、なにもかも一瞬で考えられなくなった。
いろんな人に迷惑をかけても、この想いを高久さんに知ってもらいたい。
そうか、恋愛感情ってこんななんだ。
今まで自分が恋だと思っていたものが、いかに生ぬるいか、身をもって知った。
「たぶん、はじめの時から気になってました」
「はじめ?」
近づいてきた高久さんに手のひらをつかまれ、抵抗しないで引っぱられるままについていって彼と二人、ベッドの端に腰かけた。
「初対面の時、写真で見るよりかっこいいなって思って」
「ありがとうございます」
「だけどその時はお客様として見てたので、分析してた感じです……、って僕はどこまで話せばいいんでしょうか」
「全部聞きたいです」
指を絡められ、そんなふうにうつむき加減の顔をのぞきこまれたりしたら、思いはあふれてくるのになにも話せなくなってしまう。
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