結婚相談しません！！

９

　今日は脱がすよりさきに全部を脱がされ裸にされてしまい、僕も、と高久さんのワイシャツに手を伸ばしたのだけど、とろけるキスで妨害されてしまった。

「んんー……」

　ひとつ目のボタンすらうまく外せない。
　僕ひとり、なにも身につけていない状態が恥ずかしくて、早く高久さんも脱がせたいと思うのに、下唇の裏側を舌でこすられるとだんだん頭の中がぼんやりしてきて、手の動きが完全に止まってしまう。

　唾液に濡れたやわらかいところを執拗に器用な舌で責められ続けると、だらしなく顎が下がって、いつしかボタンを外すことも忘れ、求めるようにワイシャツの首元を手で引き寄せていた。

　官能的なキスの合間に、高久さんの手のひらが頬から首筋を下がっていく。
　鎖骨の窪みを確認するように撫でると、その下、平らな胸をまさぐって小さな突起にたどりつく。

「ふぁ……っ？」

　左の胸に置いた手のひらの、人差し指と中指で乳首を挟み、高久さんが小刻みにゆらゆらと揺らしてくる。
　キスがほどけた瞬間に息をついたのも束の間、また深く舌を差しこまれ、自分のペースで息をできない焦りと羞恥で、思わず激しく胸を叩いて抵抗した。