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 脱がされるまま抵抗しない高久さんをこっそり窺うと、たぶんずっと見られていたんだろう。  目が合って、僕の頬を片手で包むようにすくう。  膝立ちのまま背中を丸めた彼に、軽く口づけられた。 「脱がされるの、好きなんですよね?」  至近距離で目を見つめ、尋ねてみた。  熱い吐息が高久さんの唇にぶつかってはね返ってくる。 「はい。やっぱ好きだなって今、再確認しました」 「みんなに脱がされたいですか」 「芳村さんに、脱がされたいです」 「今まで何人くらいに脱がされたんですか」 「こんな時に嫉妬しちゃう芳村さん、かわいいですね」  赤くなってる、と耳を噛まれ、ひゃ、とまたおかしな声が出てしまった。 「まじめに聞いてるんです! まじめに答えてください」 「怒らないでください。本当に、まじめに芳村さんにしか脱がされたくないし、今まで誰かに脱がされた経験もないですよ」 「うそだ。じゃあどうして脱がされるのが好きな変態だって、はじめに言ったんですか」  今までに何度か経験して興奮したからこそ、そんなことを言えたのだとしか考えられない。
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