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嫉妬が怒りに変わってしまった自分を落ち着かせようと、ふくらんだ頬に溜まった空気をゆっくり吐きだしていると、僕に怒られてまじめな顔を作っていた高久さんがぷっと噴きだして僕の頬を指でつついた。
「だめだ、かわいすぎて笑っちゃう」
「答えてくださいよ」
「実はあの時、想像をしたんですよ」
「想像?」
「うん。特別変わったご趣味がありますか、ってまじめな顔した芳村さんに聞かれた時、ああ俺この人に脱がされたら興奮するかもしれないって、瞬間的に思ったんです。だからああ答えたんですよ。誰かに脱がされた経験があったわけじゃなくて、恥ずかしいのを我慢させながら芳村さんに脱がしてもらったら、さぞ楽しいだろうなって想像したんです。あ、現にすごく楽しいです」
あはは、と本当に楽しそうに笑う高久さんを前にして、嫉妬の怒りで赤らんでいたはずの顔が別の理由でどんどん熱くなっていく。
「別に恥ずかしいのを我慢したりしてませんから」
「本当ですか?」
「ぜんぜん余裕で脱がしてます」
きっと顔が真っ赤になってるはずだから、説得力はないだろう。
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