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「こっちに、もたれてください。きっと楽だから」  脚を前に伸ばして座る高久さんをまたぐように、体勢を変えた。  一度後ろから抜かれた指が、今度は射精後まだ触れられていないのにゆるく勃起している性器と陰嚢の裏をとおって、下から挿入される。  ひらいた脚の奥が自分でもひくひくと期待に震えているのがわかって、羞恥に耐えられず、うながされるまま高久さんの肩に額を乗せて彼に身体を預けるようにもたれた。  出し入れを繰り返されると、腰が揺れてしまう。  恥ずかしいけれどどうしても止められない。気持ちいい、と聞かれ、もたれたままがくがく頷いた。  僕の中でまだこっそり戦いは続いていて、高久さんの欲望を包むように両手で触れてはいるのだけど、全神経が後ろに集中してしまってうまく動かせない。  危惧したはずの痛みが一向に訪れないまま、奥をこする指が一本、二本と増やされ、まとめたそれを抽挿されると、内部がしびれ、入ってきてるのか出ていってるのかわからなくなるくらい、気持ちよさしか感じなくなっていった。
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