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副社長の樹も例外ではなく、定時の18時には帰りしっかり土日祝日は休みをとる。
菓子メーカーのため、スーパーやデパートでの催事に休日出勤が必要な社員もいるが、きっちりと手当と平日の休みが決められている。
ブラック企業が話題になるなか、『ミキタニ』は改革後ホワイト企業としてマスコミに取り上げられるほど話題になり、改革をした副社長の樹は敏腕若手経営者で御曹司として更に注目される存在になった。
毎朝、8時半に『ミキタニ』本社地下駐車場に自家用車を運転し出勤する。
樹の到着を毎日地下駐車場で、秘書の藤堂が出迎える。
藤堂は、樹の神西学院小学校時代からの同級生だ。海外赴任もずっと一緒に勤務していた。会社では副社長と秘書として一線を引いているが、普段はお互い何でも知る幼馴染みの仲なのだ。
「副社長、おはようございます」
「ああ。おはよう」
「本日のスケジュールから」
副社長の仕事は、朝からビッチリ詰まっている。それも、残業を一切しないためだ。
一分一秒でも無駄にしないように、駐車場から副社長室に到着するまでに、一日のスケジュールから、重要事項の確認を済ませる。
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