狂愛

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 胸を掻きむしり、椅子から転げ落ちる俺に巻き込まれ、テーブルクロスと共に皿やグラスが滑り落ちる。声も出せない僕の変わりにつんざく音を響かせ、砕け散った。  真っ白なテーブルクロスにワインの赤い染みが広がる。ぼやける視線の先、割れたガラス片に写る彼女は冷たい瞳でこちらを見下ろしていた。
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