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夕方、コンドルが帰ってきた。口には何かはわからないが、引きちぎったような生肉をぶらさげている。したたる血のむせかえるような匂いにマリーは吐き気を覚えた。
コンドルは肉をマリーの方に放り投げた。どうやらこれが食事らしい。マリーは食べたくなどなかったが、コンドルはわらの上に体を沈めた後、マリーの方をじっと睨むようにしてうかがっている。とは言え、血まみれの生肉にかぶりつく気は全くない。しばらくしてからコンドルは諦めたように目を閉じ、眠ったように見えた。
コンドルの視線から解放されて、マリーは少しホッとした。なるべくコンドルから離れた位置で体を横たえる。喉の渇きと空腹がひどく、硬い石の床は夜になると冷えて、マリーはなかなか眠れなかった。
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