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「ただいま」
「ん、おかえり」
私が帰宅した際の自転車の音を聞きつけていたのだろう。
玄関で待ち構えていたように迎えてくれるのは、私を心から愛してくれる素敵な旦那様。私たちはお互い笑顔で歩み寄れば――愛を確かめ合うように触れ合う。
それが例え朝に同じことをしていたとしても。
「君はいつだって可愛いね」
旦那が私の頬に触れる。
私は言われた言葉にうっとりしながらその手に頬をすり寄せ、微笑む
――ねぇ覚えてる?
この手であなたが首に触れたこと
私の頬を叩いたこと
頬を尖った爪でえぐられ化粧ができず、何かバイキンが入ったのか恐ろしい程顔に吹き出物が現れ職場の人に目を逸らされるようになった日々を
私は、忘れないわ
例え貴方が忘れてしまっていても――――
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