そうはならんやろ、そう思った人の全てに近くの物がやたら落下する呪いを譲渡します

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 空から紙が落ちてきた。全く、誰がゴミを捨てたのだろうか? 紙なら土に還るから、別段気にする必要も無……いや、やめて? 風のいたずらで顔に紙を貼り付けるのやめて? 自分、運なさ過ぎじゃない? 嫌だよ、何か気持ち悪いよ。  放っておいたら、勝手に落ちるかと思えば落ちないし。何なの? こういう時だけ物が落ちないのは? たまたま眺めていた棚の上から、棚を挟んだ通路で店員が並べていた商品が落ちてくきたのに、こういう時は何で落ちないの? ねえ、通路で引き返えした時、自分が通る筈だったタイミングで、通る場所の辺りの商品が、誰も触っていないのに落ちたのに、これが落ちないのは何で? 気持ち悪っ!  そうそう、ゲーセンのお菓子タワーも落ちないよね。無理矢理陳列した商品なんて、指先が触れただけで雪崩が起きる時があるのに。フックに掛けてある商品とかさ、横の商品と重なっていると、両手を使って取らない商品押さえていないと落ちるし。あれ? これって自分だけ? 自分だけだったら、それはそれで気持ち悪っ!  そう言えば、商品を乗せて運ぶワゴン、あれが通路の半分以上塞いでいたからさ、その手前で曲がって別の通路に入った後。落下音がするなって思ったら、タレの匂いがしてきたっけ。あの時は、そのまま真っ直ぐ進んでいたら、疑われたんだろうなってタイミングで瓶入りのタレが落下していたっけ。もう、音で気になって引き返したら、通路の床が茶色。どんな落ち方をしたかはわからないけど、ワゴンの高さからだとタレ瓶は落ちたら割れる。まあ、一番怖いのは、ただでさえワゴンで狭くなった上にタレの広がる箇所でも避けないで通る客だね。邪魔な位置に有るワゴンを直ぐに片付けない店も店で怖くもあるけど。  さて、十秒は考えてみたけど、思った以上に風のいたずらが酷い。意図的に顔に貼り付けようとしているのかって位にぴったりだな。ここまで来ると、手で払うのもしゃくだ。かと言って、顔を動かして落ちるなら……ムーン歩きしてみるか。  と、考えた瞬間に紙は向きを変えた風によって飛ばされた。風に舞う紙は何処までも高く高く……やがて、近眼には目視出来ない場所までいった。  一体、何の紙だったかは謎だが、事実は小説より奇なりとは、このことなのだろう。
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