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「先輩、どこか行きたいとこありますか?」
「い、行きたいところって、今日はお前の誕生日祝うために来たんだから、お前が決めろよ。」
先輩との放課後デートだ。
近くのショッピングモールに来ている。
先輩と一緒に歩くのはそれだけで楽しい。
「誕生日プレゼント、買ってやるからなんか選べよ。」
先輩は俺と全く同じ身長で、目線も会うはずなのに、わざとそっぽを向いて言う。
その理由を俺は知ってる。
「じゃあ、そこのフードコート行きましょ。」
「いいぞ。」
俺は、フードコートのハンバーガーショップをめざした。
「ハンバーガー、そんなのでいいのか?もっと高いのでも。」
「いや、これじゃないですよ。ただ食べたかったんで、先輩も食べますか?」
「んー、そうだな。俺も食べるよ。」
「俺、このバーガーセットにしますけど先輩は?」
「俺は……こっちのBセットにしようかな。」
先輩はメニュー表を指さした。
「オッケーです。すみません、これのバーガーセットとBセットください。先輩、飲み物どれにしますか?」
「俺は、メロンソーダかな。てか、なんで一緒に頼んでんだよ、別々の方が会計楽だろ。」
「いいんです。今日は俺の奢りですから。」
「な!?なんでそうなるんだよ!今日は」
「お、もうできたんだ、ありがとうございます〜。それじゃ、座りましょうか、先輩。」
「お、おう。。」
先輩は、不満そうな顔で座る。
俺は先輩にハンバーガーと飲み物を渡す。
先輩は受け取らず。
「今日はお前の誕生日祝いだし、後輩に奢られるのは癪だ!!」
頬をふくらませ、抵抗する先輩。
「…そうですか、それは残念です。先輩に奢ったハンバーガー、食べてもらう誕生日プレゼントがよかったんですけど。」
「そ、そんなの……わかった食べる。」
先輩は俺が持っていたドリンクとハンバーガーをとった。
先輩は渋々、ハンバーガーを食べる。
部活終わりでお腹も空いていたのか、すごく幸せそうに食べていた。
俺は、先輩に前からお願いしようと思っていた誕生日プレゼントを貰うために、放課後デートに誘ったのだ。
「先輩、誕生日プレゼント、何がいいか言ってもいいですか?」
「!?いいぞいいぞ!!なんでも言ってくれ!」
先輩が楽しそうにそういう。
やっと俺の目を見てくれた。
俺は先輩の目を見て、
「俺のこと、慎って、呼んでください。」
「…え?」
「先輩とせっかく仲良くなったのに、いつまでも苗字呼びは寂しいじゃないですか。」
「そ、そうだけど、、」
戸惑っている先輩を見て、俺はもっと先輩をいじめたくなった。
「先輩のこと、響って呼んでもいいですか?」
「!?」
先輩の顔がもっと驚きに包まれた。
さらに真っ赤になった顔を必死に隠しながら、
「そ、それはちょっと、親しすぎるんじゃないか!?」
「そんなことないですよ、今だって放課後デートしてるじゃないですか。」
「だからデートって!!」
先輩は感情的になり、バッと顔を上げてしまい、俺と目が合う。
先輩は慌ててそらす。
またそらされた。
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