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 僕の恋愛事情──僕の恋愛対象は男女問わず。主に男が寄ってくる。まあ、見た目が女なわけだしそりゃ当然なんだろうけど、そいつらは「僕が僕である」ことを聞くと最初はぽかんとする。けどすぐに、「それでもいい」と言う。 「それでもいい。大丈夫」の、目はいつだって、僕を「女」として認識するから『大丈夫』だと鮮明に語る。 「大丈夫」ってなに?   顔を見て、胸を見て、自分より小さな手を握って。  その『大丈夫』に僕の意志や感情は考慮されない。  たまに女の子もやってくる。どちらかというと僕は女の子の方が安心するかもしれない。理由は、「潔い」から。今までの子は、説明するとすぐに理解して次を考慮してくれた。……そして、だいたいが去っていった。  ある子は「好きだけど、この先も同じでいられるか自信がない」から。またある子は「恋愛観が合わないだろう」から。  でもやっぱり、たまに、聞く。「大丈夫」。
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